ホーム スイート ホーム  絵本館Top


こちらのリストでは、家族について集めました。
スイートホームは、文字通り甘い家庭ですが、家族のあり方も様々な時代です。

その時代を反映して、絵本の中にも、離婚、死別、様々な家族が描かれます。
その家族すべてが、皆一生懸命なのだ。と言うリストです。

また、このリスト名は、宮西達也氏の絵本から、
お借りしました。

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リスト途中から、2ページへ飛びます。
 「帰ってきたおとうさんはウルトラマン」
 「パパはウルトラセブン みんなのおうち/HOME SWEET HOME」
 「パパはウルトラセブン ママだってウルトラセブン」
 おとうさんはウルトラマン おとうさんの育自書」
 「あなたをずっとずっとあいしてる」
 「うちのペットはドラゴン」
 「おじいさんの旅」
 「パパはジョニーっていうんだ
 「パパのカノジョは」
 「ライオンのよいいちにち」
 「おにいちゃんが病気になったその日から」
 「さくら子のたんじょう日」
 「パパが宇宙をみせてくれた」 
 「ぼくは弟とあるいた」 
 「ジェニー・エンジェル」 
 「ママとパパを さがしにいくの」 
 「あたしもすっごい魔女になるんだ!」 
 「牛女」高野玲子・絵 
 「牛女」戸田幸四郎・画 
 「かさ」 
 「雪のかえりみち」 
 「つきにでかけたおんなのこ」 
 「おうちがいちばん」 
 「うちのパパってかっこいい」 


オンライン書店ビーケーワン:帰ってきたおとうさんはウルトラマン 「帰ってきたおとうさんはウルトラマン」  みやにしたつや/作  学研
Amazon
みやにしたつやのウルトラマンシリーズです。
ウルトラマンシリーズには、ウルトラマンの恋
「いとしのウルトラマン」もありますが、
無事に結婚して、子どもが生まれました。

この本は、おとうさんになったウルトラマンと、
おとうさんになったバルタン星人のお話です。
二人の様子が、代わる代わる描かれて、立場が
入れ替わってそれぞれのお話があります。
でも、バルタン星人だって、一生懸命お父さんを
やっています。それこそ、力いっぱい。

最後のバルタン星人は、とってもかっこいいです。
わたしは、このバルタン星人おとうさんのファンです。

最後に編集担当氏の「がんばってるお父さんへ」
必ず読んでください。特にウルトラマン世代なら。

この絵本は下記の絵本の続刊です。こちらもどうぞ。

オンライン書店ビーケーワン:おとうさんはウルトラマン 「おとうさんはウルトラマン」 みやにしたつや/作  学研
Amazon

オンライン書店ビーケーワン:パパはウルトラセブン・みんなのおうち 「パパはウルトラセブン・みんなのおうち」  みやにしたつや/作   円谷プロダクション学研
Amazon
「おとうさんはウルトラマン」シリーズの
ウルトラセブン編です。
パパになったウルトラセブンが単身赴任をします。
きっと、地球に来ていた時は単身赴任だったのでしょう・・・・(^^ゞ
遠くに離れていても頑張れるのは、家族の笑顔があるから、
家族の声が聞こえてくる。

私の一番好きなところ。
「そんな パパが いえの あかりの かずだけ いるんだ。
パパたちは ウルトラセブン、なんだ。」

でも、やっぱりおうちが一番、ウルトラセブンも単身赴任が
終わっておうちに帰ってきます。
かわいいむすめとむすこが、大喜びで出迎えます。
そして、何をするのも一緒です。楽しい家族との生活が
描かれます。とてもほほ笑ましいページが続きます。

私的なことですが、この絵本を朗読したことがあります。
それも、朗読かお芝居のハーフみたいなのを・・・。
今では、やらなきゃ良かったと、反省しきりですが。
いえ、作品は素晴らしいのですが、私の朗読が・・・``r(^^;)

ウルトラセブン編は、こちらもどうぞ。
オンライン書店ビーケーワン:パパはウルトラセブン  「パパはウルトラセブン」  みやにしたつや/作   円谷プロダクション学研            オンライン書店ビーケーワン:パパはウルトラセブン・ママだってウルトラセブン 「パパはウルトラセブン・ママだってウルトラセブン」 みやにしたつや/作  
円谷プロダクション学研

「パパはウルトラセブン」のママ編です。
ママがお弁当を作ってくれたり、子どもを叱ったり(時にはパパも叱られたり)
皆を元気にしてくれる、日常生活のママ活躍編です。
でも、時には病気になって皆に心配されたり、誕生日に年をごまかしたり(私もそうしたい!!)。
楽しいエピソードでつづられるお話です。


オンライン書店ビーケーワン:おとうさんはウルトラマン おとうさんの育自書 「おとうさんはウルトラマン おとうさんの育自書」 宮西 達也作・絵 / 円谷プロダクション・監修 学研
ウルトラシリーズの大人向け育自書です。育です。
育児ではありません。子育ては自分育てということです。
中には、ウルトラマンシリーズのウルトラ親子が絵本とおなじに登場します。
そのほかに、お父さん向けの育児についての専門的なお話、金柿秀幸(絵本ナビ)
木村祐一(「あらしのよるに」作者)中川ひろたか(「ないた」作者)の3氏との
対談が載っています。


オンライン書店ビーケーワン:あなたをずっとずっとあいしてる 「あなたをずっとずっとあいしてる」 宮西 達也・作/絵  ポプラ社
ティラノくんシリーズの最新刊です。
今回は、おかあさんの愛情をテーマにということで、こちらのリストにしました。

現在の研究成果で、恐竜も子育てしていたことがわかってきましたが、その子育てを
していたマイアサウラのおかあさんのお話です。

ある日、マイアサウラのおかあさんは、森で卵を拾います。巣には自分の卵もありましたが、
一緒に大事に育てました。そして、生まれてきたのは、肉食のティラノサウルスでした。
お母さんは悩みましたが、ティラノサウルスを一緒に育てられないと考え、卵を拾った森に、
生まれたティラノサウルスの子供を捨てに行きます。
でも、胸が痛み、子供の鳴き声を聞くと、再び離すことはないと、しっかりと抱きしめます。
(ここで、いっかい、泣きます・・・・・。)

やがて、月日が過ぎ、ハートと名づけられたティラノサウルスの子供は、
お母さんと同じくらいの大きさに育ちます。
そして、ある日、同じティラノサウルスに出会うのです。
このティラノサウルスにも事情があります。
出会った二頭のティラノサウルス、マイアサウラのお母さんとその子供、
いったいどうなるのでしょうか。
後半は、どうぞご自分でお読み下さい。
最後は、いつも通り、泣けます!!泣かされます!!

ほかにシリーズは3冊刊行されています。絵本館では2冊「おまえうまそうだな」
「おれはティラノサウルスだ」をすでに紹介しています。



オンライン書店ビーケーワン:うちのペットはドラゴン 「うちのペットはドラゴン」  マーガレット・マーフィー/文  ヘレン・オクセンバリー/絵 
 こやまなおこ・訳  徳間書店

ベルサーキ家は、普通の町にある、普通の家に住む、
普通の家族でした。”わからちん”と呼ばれたお父さんが、
ペットにドラゴンを買ってくるまでは。

ドラゴンは、どんどん大きくなって、とうとうベルサーキ家の
庭では、飼えなくなりました。そして、市長さんの命令で、
一週間以内に処分することになってしまいます。
すると、ドラゴンが「まほうれっとう」にひっこすから、
一緒に遊びに来ないかと、誘います。

ベルサーキ家は、まほうれっとうで楽しいクリスマス休暇を
過ごします。ドラゴンは、まほうれっとうに残り、ベルサーキ家は、
家に帰ります。
家に着くと、お母さんは「まほうれっとうは、とても楽しかった
けれど、ふつうの暮らしもありがたいわ」と。
もう二度と、ドラゴンには会えないと皆思うのですが、
お土産にもらった黒猫が「それはどうかな」と言って、眠ります。

家族で楽しい冒険をする物語です。


オンライン書店ビーケーワン:おじいさんの旅 「おじいさんの旅」 アレン・セイ  大島 英美/訳  ほるぷ出版
やや大きな版の絵本の表紙に、山高帽に
フロックコートを着た少年が、船の甲板に立っています。
「おじいさんの旅」なのに、なぜ少年が?

作者のおじいさんは、世界を見ようと旅に出た時には、
まだ、少年だったのです。そして、3週間かかって、
アメリカ大陸に着くと、アメリカ大陸を見て回ります。
色々な場所、色々な人に会います。

おじいさんは、やがて日本に戻り結婚すると、
再びサンフランシスコに行き、暮らします。
しかし、むすめが大きくなると、故郷が懐かしく、
故郷へ戻ります。

故郷へ戻ってみると、やがてサンフランシスコが、
懐かしくなります。
2つの国で、心が揺れ動くのですが、サンフランシスコへ
戻る決心をする頃には、戦争で戻れなくなります。

作者は、横浜で生まれ、16歳の時に家族でサンフランシスコに
移住します。年を重ねるに従い、故郷を思い出し、故郷へ帰ると、
サンフランシスコを思います。
2つの国で揺れ動く気持ち、おじいさんの気持ちが分かって
きたような気がして、おじいさんにもう一度会いたいと思う、
と結ばれます。

絵本の文章は、淡々と書かれ、絵も派手さはありません。
でも、孫から見た、一族の始まりであるおじいさんの
物語をゆったりと語り、心静に揺さぶられます。


オンライン書店ビーケーワン:パパはジョニーっていうんだ 「パパはジョニーっていうんだ」 ボー・R・ホルムベルイ作  エヴァ・エリクソン絵 
 ひしきあきらこ/訳  BL出版

離婚した両親のためにママと暮らすティムが、
一日、パパと過ごす日です。
駅のホームで待つところから、始まります。

映画を見たり、図書館に行ったり、レストランに入って食事をしたり、
一日中、ティムは「ぼくのパパだよ、ジョニーっていうんだ」と
どこへ行っても、皆に話します。
でも、一日はあっという間です。とうとう、パパが帰る時間になりました。

電車がホームに入っていますが、パパは「まだ、2,3分あるから、」
と言って、ティムを抱きかかえ車内に。
車内で「この子は、ぼくの息子です。最高にいい息子です。
ティムっていうんです!」と叫びます。

最後のページは、ママが寄り添って、ティムが遠く何もない線路を
見つめています。

絵は、紙の質感が残るようなクレパス、色鉛筆のような感じです。
こんな絵もとても素敵です。


オンライン書店ビーケーワン:パパのカノジョは 「パパのカノジョは」  ジャニス・レビ作  クリス・モンロー絵   もん・訳   岩崎書店
上記の絵本とは反対に、パパと暮らしている女の子と、
パパのカノジョとのお話です。

本文中に書かれてはいないけど、おそらく、パパとママは離婚したのでしょう。
パパには、これまで何人かのカノジョがいました。
今度のカノジョは、ちょっと、変わっていてベジタリアンで、
アメリカ人が好むことを一つもと言っていいくらい、やりません。
「あたし」から見たら、すごくかっこ悪い女性です。

でも、「あたし」のはなしをテレビを消して聞いてくれるし、
ひみつはひみつにしておいてくれるし、etc.
だから、いまんとこ、ちょっといいセンいってるかもね、と終わります。

読み終わって、思いました。カノジョと「あたし」の関係は、
パパのカノジョだからできることで、親ならできないのじゃないかなって。
ちょっと、そんな気がしました。私は、子の親になったことがないから、
本当のところは、わからないけど・・・。
でも、私が「あたし」なら、やっぱり、ちょっといいセンいってるかもね、って
思います。

それから、ハローウィンで、ブロッコリーの仮装ってかっこいいの?
(この絵本最大の謎です。``r(^^;)


オンライン書店ビーケーワン:ライオンのよいいちにち 「ライオンのよいいちにち」 あべ 弘士   佼成出版社
ライオン父さんの子育て?物語です。
ライオン父さんが、子どもたちを連れて、お散歩をしていると、
いぼいのしし、ヒョウ、ゾウなどから、子守とは感心だと
言われます。

ところが、このライオン父さん、「こうするのが、すきなだけ、
ほっといてくれ」というわけで、岩山にどっかりと座ります。
日が暮れるまで、子どもと遊ぶでもなく、昼寝をします。
時に俳句などもひねったりして。

いいお父さん?ですね。子どもたちも良い子に育ちそうです。
でも、最後の数ページ、働くお母さんライオンが登場します。
いつでも、現実派の女性の役どころかな?

あべ弘士の絵は、いつも感心します。簡単(そうな)絵に見えて、
しっかりと動物の特徴を捉えていて、きっと、動物大好きなんでしょうね。
もちろん、元動物園勤務だし。
あべ弘士の絵本はこちらでも紹介しています。

「おにいちゃんが病気になったその日から」 佐川奈津子・文  黒井健・絵  小学館
bk1にリンクしています。bk1で表紙ご覧下さい。
病気の子どもが主人公のお話は、よくありますが、
兄弟が病気になって、寂しい思いをしている子どもが、主人公のお話です。

何の問題もない絵に描いたような幸せな家族を、突然子どもの病気が襲います。
兄弟の兄が病気になり、何も知らされないまま弟は、おとなしく家での
留守番を言いつけられます。

「ひとりでさびしいだろうけど、がまんしていい子でいてね。
おにいちゃんは、もっとがんばっているんだから」
おかあさんは、弟に言います。
弟は本当は、おにいちゃんとおかあさんがいなくなるし、
自分だって我慢していることがいっぱいあるのに、と思いますが、
「うん」とうなずきます。

小さい子どもなので、何も両親は弟に話さず、ただがまんしてね、とだけ、
話してしまいます。きっと、どこの家でも同じことでしょう。
でも、子どもは子どもなりに考えていて、兄に嫉妬する自分が、
嫌になり、自分を自分で叱りながら、留守番をしています。
自分が我慢していい子でいれば、おにいちゃんもお母さんも
帰ってくると信じて。

作者は、子どもの時に弟が脳腫瘍になり、その時の経験を元に、
このお話を書きました。
周りの大人たちが、病気の子どもにばかり目がいって、その兄弟の
寂しさを分かってあげる大人がいないことを、よく知っていたので、
病気の子どもの兄弟に向けて、メッセージを送っています。

絵は、主人公の「ぼく」以外は、幽霊のようにのっぺらぼうで、
「ぼく」の寂しさや孤独感を表しています。それでも、黒井健の
まるみのあるどこか暖かい感じは、しっかりと感じられます。


オンライン書店ビーケーワン:さくら子のたんじょう日 「さくら子のたんじょう日」 宮川 ひろ・作  こみね ゆら・絵 童心社
題名と表紙絵から、もしかしたらと、内容を窺うことができる絵本です。
ほとんど、そのもしかしたらは、あたりです。しかも、ここのリストに入っているということで、
さらに、わかりやすいかも・・。

さくら子、ちょっと憧れる名前です。薫子とか、子がなくても充分に名前なのに、って思います。
でも、これで、お嬢様か優しい子じゃあないかと、見当が付きます。
この本のさくら子も優しい子です。

この本中に出てくる「みごも栗」って、本当にあるのでしょうか。栗の木の上に、山桜の木が
生えているのです。その木に願うと子どもが授かるということで、さくら子もその木に願ったために、
生まれた子なので、「さくら子」と名づけられたと、前半で語られます。

でも、真実はさくら子の誕生日と、若くして亡くなった母の妹、さくら子の叔母の命日が一緒であること
から、次第に推測されます。

こみねゆらの絵は、どこと無く悲しげで、儚げです。


オンライン書店ビーケーワン:パパが宇宙をみせてくれた 「パパが宇宙をみせてくれた」 ウルフ・スタルク作   エヴァ・エリクソン絵   ひしき あきらこ訳  
           BL出版

作者ウルフ・スタルクの子ども時代の思い出のお話です。
ウルフはパパに、「宇宙をみにいこう」と誘われます。ウルフは宇宙ってなんだろうと考えながら、
パパについていきました。途中の公園、お店の様子、歩く人々など、晩秋の感じが漂っています。

パパが連れて行ってくれた場所は、近くの小さな丘の上です。ウルフは目をこらして、
宇宙を見つけようとします。風に揺れる草、かたつむり、アザミが、ウルフにとっては、
宇宙でした。でも、パパは「なにを見ているんだ、上だよ」と声をかけます。
頭上には、空一杯の星が瞬いていました。大きな宇宙です。パパはウルフに宇宙の神秘を
話します。

お家に帰ると、ママが美味しいココアを入れてくれました。
ほほ笑ましく、幸せな子ども時代を感じます。
オンライン書店ビーケーワン:ぼくは弟とあるいた 「ぼくは弟とあるいた」 小林 豊/作・絵  岩崎書店
この絵本は、日本人が書いたものですが、中東、小アジア付近のお話です。
作者は日本画家で、中東、アジアを度々訪れ、「せかいいちうつくしいぼくたちのむら」などを
書いています。

戦争が隣まで来ている村で、幼い兄弟が、遠い町へ兄弟だけで避難することになりました。
バスは定員以上の人を乗せて出発します。色々な人が乗っていますが、皆黙ったまま乗っています。
ところが、砂漠の中でバスが動かなくなります。しかなく歩き出した乗客は、夜になると、
岩山、(そこは昔の遺跡ですが、)で一夜を過ごします。

兄弟は、母に渡されたアンズを食べ、乗客の皆にも配ります。弟は「このアンズお母さんの
においがするね」と兄に話します。
翌日、助けがやってきて、近くの村までたどり着きますが、そこでは、乗客のおばあさんの
娘が出産するところでした。

子供が生まれると、村中お祭りです。乗客も一緒になり大騒ぎをします。兄弟はとても平和で幸せな
思いを感じ、いつまでもここにいたいくらですが、町でおじいさんが心配して待っています。
乗客も家族が待っている町に向かいました。
夕方、やっと目的の町に着きます。家族のようになった乗客たちは、互いに手を振り別れていきます。
兄弟は、おじいさんの家に暗くなってから、ようやくたどり着くことが出来ました。

日本では、絶対考えられないお話です。平和な日本をありがたく思うことが出来ます。
また、幼い兄弟が(小学高学年と低学年位です。)二人だけで、見知らぬ遠い町まで避難するのです。
それも、行き先で何が起こるかわからないのです。携帯を持って、今ここに居るよ、なんて気楽な
ことを言っている今が、本当は貴重な時で、世界では恵まれた土地なのだということを、改めて、
感じることが出来ます。


オンライン書店ビーケーワン:ジェニー・エンジェル 「ジェニー・エンジェル」 マーガレット・ワイルド作 / アン・スパッドヴィラス絵 / もりうち すみこ・訳
岩崎書店

ジェニーは弟が死んでいくことを受け入れられません。
そして、自分は天使だから、何でも願いがかなう、だから弟は死なない、と自分にも
言い聞かせています。そのために、天使の羽根を隠すレインコートをいつでも着ています。
もう、だれも、そのレインコートについて尋ねる人はいません。

家族が死んでいくことを、しかもまだ小さい弟が死んでいくことを簡単に
受け入れられる人は、やはり稀でしょう。でも、残される家族は、それを受け入れ、
次へ行かなければならないのです。すぐには、歩み出せないとしても。

弟が亡くなった後、ジェニーはレインコートを脱ぎます。
お母さんはジェニーをレインコートでくるんで、抱きしめてくれます。


オンライン書店ビーケーワン:ママとパパをさがしにいくの 「ママとパパをさがしにいくの」  ホリー・ケラーさく / すえよし あきこ・やく  BL出版
ホラスには自分の部屋もありますし、素敵なママとパパがいます。
でも、ある日自分だけが、家族と違うことを悲しく思うようになりました。
それは、ホラスは体の模様が「ひょうがら」で家族や従兄弟たちは「とらがら」なのです。
とうとう、ホラスは本当の家族を探すのだと言って、家出をしました。
そして、公園で同じ「ひょうがら」の家族に出会い、楽しい時を過ごします。

でも、夕方になると寒くて、ママが作ってくれた毛糸のスリッパが、恋しくなりました。
パパがゲームをしようと待っているんじゃないかと、思いました。
一緒に行こうという「ひょうがら」の家族たちと別れ、家路につくと、
途中まで、心配したママとパパが迎えに来てくれていました。

ベッドに入ると、ママがいつものお話を聞かせてくれます。
「あなたのさいしょのかぞくは、小さいときにいなくなってしまって、
新しい家族が必要だった。あなたの体の模様はとてもすてきだったから、
ぜひ、うちの子になってもらおうとおもったの」

作者はアメリカ人で、特にアメリカでは人種の違い関係なく養子を迎えていますので、
そんな子供たちが、たくさんいるのだろうと想像できます。しかも、ホラスにママは
毎晩、どうしてこの家の子になったかを、話しています。人種が違うので養子である
ことを、最初から話し、その上でお前を愛している、というのが考え方のようです。
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