

「ルピナスさん」 バーバラ・クーニーさく かけがわやすこ/やく ほるぷ出版
このお話を初めて読んだのは、紙芝居でした。ルピナスの花の色が、
とてもきれいで、印象深かったのを覚えています。
そして、わたしはルピナスさんに憧れて、庭にルピナスを植えようと
思いました。まだ、実現しませんが。
ルピナスさんという名前は、本当の名前ではないのですが、どうして、
そのように呼ばれるようになったのか、というお話です。
簡単に言えば、それで終わってしまいますが、一人の女性の
人生をたどり、自立した女性の強さ、優しさなどを描いています。
子ども時代に、おじいさんと約束した3つの約束「とおいくにへいく」
「としをとったら、うみのそばにすむ」そして、「世の中を、もっとうつくしく
するために、なにかしてもらいたいのだよ」と言うおじいさんに答えて、
「いいわよ」と約束しました。
その時には、何をしたらいいのかわからなかったけれど・・・・・。
その答えが、このおはなしのクライマックスです。
是非読んで!!厳選!!でも リストアップしました。、
「わたしの足は車いす」 フランツ・ヨーゼフ・ファイニク/作 フェレーナ・バルハウス/絵 アンナは足が不自由で車いすに乗っています。
でも、何でも一人でできます。
ただ、おつかいに一人で行くのは、今日が初めてです。
ちょっと不安を抱えながら、出かけて行きます。
街へ一人で出て行くと、色々な人に会います。
そして、ジギーというちょっとふとった男の子と出会います。
アンナは、ジギーとの出会いで、違いを認めあって生きることを
知ります。
生きていく中で、自分は自分で、人とは違うということを認めることは、
大事なことです。
そして、ジギーは言います。
「ぼくたち、ちょっとだけふつうとはちがうんだよ。だけど、ちがっていてもいいのさ。
ちがっているのって、ほんとうは、とくべつなことなんだから。」
「やっぱりおおかみ」 ささきまき/さく・え 福音館書店
一匹だけ、生き残っているオオカミの子供。 自分の仲間を探して歩きますが、どこにもいません。 うさぎの町、ブタの町、シカの町などなど、 仲間を探してうろつくオオカミが近づくと、 みな、逃げていってしまいます。 寂しいけれど、シカにはなれないし、 ブタにもなれない、オオカミは、オオカミとして 生きていかなくちゃならない。 でも、それに気が付くと、むしろ、ゆかいなきもちに。 オオカミはオオカミ。 私は私。 町を探し歩くおおかみがシルエットになっていて、 孤独感を表しています。 それに比べ、周りの町の人?たちの何と平和な、 幸せそうな顔。 個を大切にしている人に送ります。
「小さな魔女のカプチーヌ」 タンギー・グレバン作 カンタン・グレバン絵 江国 香織/訳カプチーヌは、魔法使いの街に住んでいます。 まだ、9歳ですが幾つか魔法も使えます。 カプチーヌは、魔法の先生メガンに新しい魔法を 披露することになりました。 でも、魔法は失敗してしまい、メガンの研究室はめちゃくちゃに壊れるし、 二コラという料理番の男の子は、竜になってしまいます。 カプチーヌは、怒ったメガンから、すべて明日の朝までに、 元通りに直すように、命じられます。。 困ったカプチーヌは、ロビュールという、大きな木のおじいさんに 相談します。 ロビュールの言う言葉がとても素敵です。 「だれにでも失敗はある。 大切なのは、きちんとあとしまつをつけることと、 おなじ失敗をくりかえさないように学ぶことだ。」 無事、カプチーヌは元に戻すことができました。 そして、失敗からも学びました。 「いつの日か、カプチーヌはりっぱな魔女になることでしょう。」 と終わります。 この絵本の絵は、あまり子どもっぽくなく、 それでいて、ちょっと可愛いという絵です。 下書きのデッサンの線が残ったまま、薄く色が付けてあり、 それが、また魅力の一つになっています。 何気ないのですが、良い絵という感じです。
「ナイトシミー 元気になる魔法」 アンソニー・ブラウン/絵 グエン・ストラウス/文
口をきかない子、エリックのお話です。 中表紙が象徴的です。4つのドアが並び、左から右に少しずつ開いていく絵です。 心が少しずつ開かれていくことを表しています。 エリックの閉ざされた心を象徴している物は、もう一つ、絵は額縁の中の写真のように、 周りに黒いスペースがあります。心が開かれた時、全ページで一枚の絵になっています。 エリックには、ナイトシミーという友達、エリックの代わりに口をきいてくれる、 友達がいます。これは、もう一人のエリックなのですが、誰とも口をきかないエリックは、 ナイトシミーがいるから、寂しくないと思っています。 周りは、口をきかないエリックを「だんまりおばけ」と呼んでいます。 でも、ある日、マーシャという女の子はエリックが口をきかなくても気にする様子が無く、 二人で遊びます。その夜、ナイトシミーはいなくなります。 翌日、エリックと遊びに来たマーシャが、公園でおしゃべりを始めた絵は、 1ページ色で塗られたカラフルな絵になっています。 絵は、ときおり写真かと思うほどです。色使いもはっきりとしていて、きれいな絵です。
「あなたがもし奴隷だったら…」 この本は、最初のページから衝撃的です。 黒人が船から海へ投げ込まれる絵から始まります。正直にとても怖いです。 そして、「ちびくろさんぼ」が、なぜ書棚から消えていったのか、理解できます。 この本を読むまでは、「ちびくろさんぼ」は日本人にとっては、差別の意識がないので、 お話として読んでいいのでは、書棚から消し去るほどの神経質になることはないのに、と 思っていました。 でも、今は書棚から消えて当然と言う気持ちになりました。 まして、原作は別の名前で姿も違うのですから。 (ただし、やはり神経質になることはないという気持ちは、かわりません。 静に、消し去ればいいのです。無視という態度で) 作者レスターは、以前に「奴隷とは」という本を書いた大学教授です。 この絵本は、レスターがロッド・ブラウンの絵を見て、再び書くことがまだまだあると 強く心を揺さぶられ書いたものです。 それほど、ブラウンの絵は強烈です。奴隷を描いて見る者に訴えます。 ここまで読んで、なぜこの本がこのリストなのか、不思議に思われるかもしれません。 この本には、主題が二つあります。 400年にわたって存在した奴隷制度の実態を伝えること。 もう一つは、現代人が享受している自由の貴さとそれに伴う責任について。 ということで、このリストになっています。 この絵本を読んでいただくと、以上のことが自然に理解できます。 気分の良い絵本ではないけれど、読まなければいけない本、そんなところでしょうか。
「あの森へ」 クレア・A.ニヴォラ・作 柳田 邦男・訳 評論社
子どもの頃には、怖いものがあってそれを乗り越えることで、 自信と自立につながっていく、という題材のお話です。 主人公は、「ぼく」ねずみ君です。 「ぼく」は、村はずれにある森が怖くてたまらなかったので、 ある日、森へ行ってみることにしました。 森は暗くて、入っていったらどうなるのだろうと、どきどきして、 森へ入ったばかりは心臓がどっくんどっくんなって、この恐ろしい気持ち、 よく分かります。 私も今でもよく経験しますから。大人だって怖いものは一杯あるのです。 それを乗り越えるのが、なかなか出来なくて、今でもここに止まって いるのかもしれません。 でも、ねずみ君は乗り越えました。 クレア・A・ニヴォラは、アメリカの人ですが絵の感じはヨーロッパを 思わせます。 絵本の中で、私が一番気に入った場面は、森へ行くことにしたねずみ君が、 玄関から家の中を振り返る場面です。 家の中に人(ねずみ)はいません。暖炉があり、椅子の上に開きかけの 本がおいてあります。静で暖かい絵です。 全体にすっきりとした色合いの素敵な絵です。
「リックとリック」 エリック・バトゥーさく あまぬま はるき・やく ほるぷ出版
エリック・バトゥーやっと登場です。 とてもおしゃれな色使い、おしゃれな絵です。洗練されたフランスを感じさせます。 おおおとこの国に生まれた小さなリック、こびとの国に生まれた大きなリック、 二人のリックのお話です。 おおおとこの国では、青い大きな帽子を被り、こびとの国では、赤い小さな帽子を 被ります。 それぞれの国で、どうしたらよいのか分からなくなっていた二人のリックは、 ある日出会い、お互いの帽子を交換し、お互いの国で暮らします。 互いの国では、小さなリックはこびとに、大きなリックはおおおとこに歓迎され、 お互いにガールフレンドを見つけます。 やがて、二人プラス二人は再び出会い、帽子を交換するとそれぞれの両親の元に ガールフレンドを連れて帰ります。両親は大喜びで、二人にはたくさんの子供、 孫が生まれました。 今では、おおおとこもこびともいないと言われていますが、本当にそうでしょうか? で、終わります。 この物語は、様々な示唆に富んでいるようです。 争いについて、アイデンティティーについて、親子についてetc.これらの様々なことを さりげない物語でおしゃれな絵で、読ませてくれます。
あざらしの子供、クララのお話です。 ある日、クララはおかあさんから「いつかは、一人で生きていくのよ。もし、お母さんが もどらなかったら、しあわせをさがしに行くのよ。怖がっていてはだめよ」と、言われます。 そして、お母さんは、魚を取りに行ったまま戻りませんでした。 クララは、お母さんを待ちますが、白熊の姿を見て、ひとりでしあわせをさがしにいく 決心をします。「しあわせ」は、どこにあるのでしょう。 クララは、海に潜り、海上を泳ぎ、氷に乗ってさがし続けます。 その間に、きれいな魚に出会ったり、恐ろしいサメに出会います。 でも、「しあわせ」はなかなか見つかりません。 最後に出会った海がめが、「しあわせは、君自身だよ」と教えてくれるまで、 クララは考え続けていたのです。 この海ガメ、グレゴールは、結構哲学的な言葉を、しゃべります。 小さな子ども用に書かれたお話のようですが、なかなか、侮れません。
「きょうは こどもを たべてやる!」
ワニの親子のお話です。このワニ親子、目が結構怖くて、歯がぎざぎざで、 こわーいワニ親子に見えますが、お食事は完熟の甘いバナナです。 こわ-い顔のワニ親子がバナナを食べるシーンは、おもしろいですが、もっとおもしろいのは、 ワニの子どものアチーユが、「きょうは こどもを たべてやる」と宣言してからです。 お母さんワニは「バナナの きに こどもは なりませんよ」なんて言いながら、 バナナを差し出します。 さらに、お父さんワニは、街に行ってソーセージを買ってきます。 背中にソーセージを背負った姿は、とてもユーモラスです。 それでもアチーユは人間のこどもを食べると言い張ります。 すると、両親はチョコレートケーキを作り出します。どこまでも甘い物好きですね。 チョコレートケーキには、ちょっと気を惹かれますが、子どもを食べる気分は変わりません。 何も食べないアチーユは頭がくらくらするので、川で水浴びをしようと思います。 なんと、そこに子どもがひとり、「チャーンス」とばかりに、飛び掛ろうとします。 ところが、この子ども、見るからにワニより怖そうな女の子です。 アチーユは、適当に遊ばれて、川に投げ入れられました。 そして、「こんどこそは こどもをたべるためにね」とバナナを山のように食べます。 とてもしゃれた感じの絵とともに、楽しいお話が綴られています。 ワニの親の表情もいいです。簡単なお話ですので、じっくり絵を楽しんでください。
「とくべつないちにち」 イヴォンヌ・ヤハテンベルフ作 / 野坂 悦子・訳 講談社
転校してきた初めての日を描いているようです。 アルノ君は、初めて学校に行くと、教室の皆がじーっとみつめるので、 このまま家にかえちゃおうかなと思います。でも、授業が始まります。 アルノ君は図工の時間に「きれいなネックレスを作ってね」と先生に言われますが、 本当は絵が描きたいのです、うまく言えないけれど。 体育の時間も先生の言った事じゃない事をしていました。 そして、歌の時間に、おおかみになってと言われ、おおかみのお面をかぶると、皆が、 怖がります。赤ずきんちゃんも「こわくないもん」と言いながら、怖がっている様子が、 アルノ君にはわかりました。 アルノ君は、いつまでもおおかみで、いたかったのですが、皆がおおかみでなく、 アルノ君と遊びたいと言って、お面を取りました。 これで、とくべつないちにちの終わりです。 特別な事が描かれているわけではありませんが、自分であること、という考え方が、 よく分かるお話です。 絵は、子どものお絵かき風の色づけ方です。でもこれがなんともいい感じの雰囲気を 出しています。
「ダニエルのふしぎな絵」 バーバラ・マクリントック作 / 福本 友美子・訳 ほるぷ出版
19世紀を思わせる感じの服装、建物です。 でも、はっきりと年代を書き表してはいません。 ダニエルは写真家のお父さんと二人暮らしで、絵を描くのが大好きです。 その絵は、不思議な絵で、空飛ぶカエルや洋服を着た動物などで、お父さんからは、 見たままが描けないならば、写真の方が良いと言われています。 画家になりたかったダニエルは、自分はこんな絵しか描かないので、画家にはなれないのだと 思いました。 ある日、お父さんが病気になり、ダニエルはお父さんの代わりに、写真を撮りに行きました。 でも、雪の中で上手く撮れません。困っていると、通りがかった女性に声を掛けられます。 その女性の家の中は、なんと、ダニエルが描いているような絵がいっぱいでした。 女性は、画家でした。ダニエルは夢中で、いろいろと質問します。そして、その女性の 助手として働く事になりました。 絵がシックな感じの色合いで、丁寧にペンで描かれた線を生かしていく色づけです。 このような感じの絵は好みです。とても好感が持てる絵です。 作者のお父さんも写真家で、作者も小さい頃はダニエルのような絵を描いていたそうです。 でも、お話と違って、作者のお父さんは、絵を描く事を応援していました。 作者の自伝的要素のあるお話です。
「どうしたらいい、ブルーカンガルー?」
リリーという女の子は、する事が思いつかないと、「どうしたらいい、 ブルーカンガルー?」と自分のぬいぐるみのブルーカンガルーに聞きます。 でも、ブルーカンガルーもどうしたらいいのかわからないので、ほとんど答えません。 そうしているうちに、リリーはする事を思いついて、自分で行動します。 恐竜の絵を描いたり、絵本を自分で読んだり、ぬいぐるみを集めてお庭で、お茶をしたり、 とても、ほほ笑ましく小さな女の子の自立が描かれています。 これで、お話は終わりだと思っていたのですが、まさか、ブルーカンガルーが、自立!? するとは思いもよりませんでした。 最後のエピソードによって、ブルーカンガルーがリリーの想像の中でだけ、 人格を得ているのではないことがわかります。意外な感じでした。 でも、リリーとブルーカンガルーを主人公としたシリーズになっているようです。 かわいい二人を、じっくりとご覧下さい。
「ブルーカンガルーがやったのよ!」
上記の絵本のシリーズです。 リリーはいたずらをして、叱られると「ブルーカンガルーがやったのよ」と言い訳をします。 とうとう、あまりのいたずらに、おかあさんはブルーカンガルーを取り上げてしまいました。 ところが、その晩、ブルーカンガルーはおかあさんに手紙を書きます。 翌朝、おかあさんは、その手紙とブルーカンガルーを持って、リリーのところに来ます。 「うれしかったわ、リリー。だれが かいたの」と、差し出す手紙には、 「ごめんさい」と記され、ブルーカンガルーの絵が描いてありました。 リリーは「ブルーカンガルーがやったのよ」と。 このシリーズは、ブルーカンガルーが考えたり、動いたりするのは、リリーがそう思っているだけ だと、最初は思わせます。でも、最後には、本当にブルーカンガルーが、動き回って、リリーを 助けるお話になっているようです。このシリーズの絵本は、まだあるようです。
「森の大きな女の子」
むかし、大きな大きな女の子がいました。 女の子は、あまりに大きいので、母親からも好きになってくれる男の子もいないわよ、 と言われたいました。女の子は人々と仲良くして暮らしたかったのですが、女の子の 大きさにびっくりしてしまうので、ひとりで森に暮らしていました。 ある時、女の子の隣に森番が家を建てました。森番は大きな女の子を、気に入っていましたが、 なかなか、女の子に話掛ける機会がありません。そこで、町でカーニバルがあるので、仮装した たくさんの人が集まりますよ、と声を掛けました。 女の子は、仮装しているならば、自分も大女に仮装していると思われると考え、町の人たちと、 仲よくなれる機会だと、出かけていきます。 町では女の子の想像通り、大女に仮装していると思われて、人気者です。 そこへ、大男に仮装した森番がやってきます。二人はみつめ合いながらダンスを踊ります。 ところが、森番が転んで、仮装がばれてしまいました。大きな女の子は、涙を流します。 でも、周りの子どもたちは、女の子を憧れの目で「ねえ、おねえさんは、ほんとうの大女だよね」 と聞きます。「ええ、ほんものよ。」そして、怖がると思ってひとりで森に住んでいると、答えました。 すると、子どもたちはますます、憧れの眼差しで「わー、すごいや」と大喜びです。 その様子に森番も「ぼくも、気味が大女だって事は知っているけど、そんなことどうでもいいよ。 僕はきみが好きなんだよ」と。 翌日、二人は手をつないで、森の中を散歩しました。 絵もきれいな色合いで、好感の持てる感じです。 何故か、ページの最初の方から、泣けて泣けて、最後には、女の子と一緒で、大粒の涙を 流していました。何かが、琴線に触れるようです。
「せかいいち大きな女の子のものがたり」
意図したわけではないのですが、またまた、大きな女の子の物語です。 こちらは、大きい事は良い事だと、前面に押し出しています。 女の子自身、大きい事を気にしていません。 それどころか、大きくて、力持ちである事を、誇らしげに語っています。 やはり、男女均等法(略しすぎかな)などができたとはいえ、こんな物語を読むと、 女性だって、男性と互角なのよ、認めて頂戴って、言っちゃいそうです。 それだけ、世の中まだまだってことですか。 さて、この物語の女の子は、普通の両親から生まれます。でもどんどん大きくなって、 2歳で丸太小屋を建てます。12歳の時は、沼にはまった幌馬車隊を救出します。 でも、とても心優しい女の子です。 ある夏に大きなクマが出て、食料庫の物をみんな食べてしまいました。 そこで、このクマを退治しようと、力自慢の男たちが、次々に挑みますが、 誰もだめでした。 大きな女の子は、男たちに「裁縫でもしてたら、」とか「家でパイを焼いてな」なんて、 言われましたが、大きなクマ退治に出かけます。 そして、5日も戦って、とうとうクマをやっつけました。 小気味いいですね。女性としては。(^^ゞ クマは、ステーキにされたり、マフィン、ケーキ、こんがり焼きなど、おいしそうな 料理になって、食べられました。そして、食料庫もいっぱいに。 毛皮は女の子がひきずっていって、自分の小屋の前に敷きました。 でも、ページはこの最後にもう1ページあります。お楽しみです。 この絵がまた素晴らしいです。 画家は、このお話がすぐに気に入り、絵の構想もすぐに決まったそうです。 でも、絵を木の薄く削ったものに描こうとした為、材料がなかなか手に入らず、 とても苦労したようです。その後も苦労が続いたようですが、何とか出版に扱ぎ付けたと いうことです。苦労の甲斐がある、素晴らしい絵です。 木の薄い板の中ほどに、楕円にあるいは四角く窓のような感じにして、絵を描いてます。 その区切りを生かして、女の子が楕円に沿って飛んでいくように描いたり、楽しめます。 また、昔の絵画で板に描かれたものがありますが、その雰囲気も出ています。 絵本のページをめくる度に、木の香りが漂ってきそうです。一枚一枚が、木そのもののようです。 ぜひ、ご自分でお確かめください。
ニューヨークの、プラザホテルに住んでいる、6歳の女の子のお話です。 プラザホテルで、ナニーと二人で暮らしています。両親は一緒にいません。でも、エロイーズは、 とっても元気で、ホテルを駆け回ります。 ホテルの最上階に住んでいます。ホテルには、お金持ちのお客さんがたくさん来ます。 エロイーズは、いたずらが大好きです。ホテルの温度調節器も、消火用のホースもエロイーズには、 おもちゃの一つです。さらに、結婚式に出たり、大舞踏室の天上のライトに隠れたり、たくさんの パーティーに出たりしています。でも、ちゃんと、ルームサービスを頼む事も出来るのです。 たったの6歳で。 お茶目でいたずら好きなエロイーズは、1955年に発表されると、たちまちに人気になりました。 エロイーズファッションやホテルの広告に登場したりしています。 こんな素晴らしい生活が出来たらと、子どもなら誰でも、いいえ、大人だって憧れます。 エロイーズは、都会を教えてくれ、子どもは子どもらしくという物語の登場人物とは、大いに違う キャラクターで、たくさんの人に、影響を与えたようです。 絵は、線画にピンクの色を付けたものですが、そのピンクがまた、おしゃれな色です。 これぞエロイーズ、これぞプラザと言う色です。1955年頃に、この絵本が登場した時に、 たくさんの女の子が、夢中になったのもよく分かります。
「虫めづる姫ぎみ」 森山 京・文 / 村上 豊・絵 ポプラ社
性格的には、一押しのお姫さまです。 この絵本は、古典の「堤中納言物語」から、作られています。 「堤中納言物語」は10篇の短編物語集で、平安時代の後期に成立しました。 堤中納言が、書いたように思われますが、作者は10篇とも別々で、作者が判っているものは、 一遍だけだそうです。この「虫めづる姫ぎみ」も作者不詳です。でも、この「堤中納言」の中では、 特に面白いお話ということで、学校の授業などでも、聞いたことがあるのではないでしょうか。 平安時代の貴族のお姫さまは、人前に出ることがなく、たとえ人前にでても緋扇で顔を隠すなど したものです。ところが、このお姫さまは、虫が大好き、しかも毛虫が、という変わり者です。 大好きな毛虫を取る為に、平気で庭に出たりして、近所の男の子を使って虫取りに興じます。 でも、なぜ、毛虫が好きなのか、「物事は本質を知らなければならない。だから、 原因と結果を知る事こそ大事。毛虫が蝶になることを見るのは、とても面白い。」 という、まるで、自然科学者の様なお姫さまなのです。 現代ならば、きっと著名な学者になっていたでしょうね。 そんなお姫さまですから、、毛虫の観察の方が面白くて、お化粧もしません。 眉もそらず、お歯黒もしない、今で言えば、茶髪もしない、ピアスもしない、って ところでしょうか。 ところが、こんなお姫さまでも、逢ってみたいと心寄せる男性が現れます。 このお姫さまは、大納言家の姫さまなので、結構位の高いお家柄です。 その男性は、公達ですが位は下。どのように逢いにいけばよいか、思案します。 そこで、一騒動あるのですが、結局は、お姫さまを盗み見て、美しいとは思うけれど、 最後の声を掛けるところまでは、いきません。 見る目がないのです。この公達に!! 私はそう思います。 ユニークなお姫さまの様子、是非覗いてください。 村上豊の絵は、とてもかわいいお姫さまです。絵巻物風の絵も雰囲気がいいです。
以前、TVで見たことがありますが、夏休みに羅臼の子ども達が参加する 「ふるさと少年探険隊」という知床半島探険があります。 これに、作者も同行して描いた絵本です。「絵かきのとっさん」として登場します。 探検隊は、5泊6日で小学校4,5年の「わんぱく隊」と小学校6年〜中学3年までの 「チャレンジ隊」です。「チャレンジ隊」が、知床半島の突端まで行きます。 主人公に哲也という少年が登場しますが、特別に哲也だけ事件を起こすなどの 波乱はありません。全体を一つの登場人物として、知床を丸ごと楽しんでいる 探検隊として描いています。 探検隊の行程を進みながら、自然の様子、歴史(間宮林蔵などの探険)昆布漁の方法など 見開き2ページで、説明をはさみ、描いています。 絵は、型染版画というもので、布の質感がわかります。暖かみが感じられる絵です。
出版社は別ですが、上記の絵本と姉妹本といって良いと思います。 絵本の中の時間は、上記の絵本よりかなり進み、現在より50年くらい未来を予定しています。 子どもの頃「ふるさと少年隊」に参加したというおじいさんと孫の大介君の物語です。 おじいさんが参加した時に、絵描きさんが参加した事になっています。その絵描きさんが 生きていれば、110歳となっています。 おじいさんはスケソウ漁の船長で絵を描くのが好き、大介君は小学校5年生で、 家にこもりがちな少年です。でも、おじいさんと一緒に絵を描きに出かけます。 おじいさんとしては、今年は大介君に「ふるさと少年隊」に参加してもらいたいと 考えています。大介君は、「ふるさと少年隊」に参加して知床半島の探険をします。 (上記の絵本では、小学校6年からの「チャレンジ隊」でしたが、こちらでは 小学校5年生からになっています。) この絵本では、この夏の「ふるさと少年隊」もひとつのエピソードとして 描かれて、やがて、大介君は家にこもりがちな少年から、祖父の後を継いで、 スケソウの漁師になろうかと、考えるまでになる、一年を通しての知床の 自然を描いています。 絵は同じ手法と思われますが、一緒に挟み込まれた資料に、描き方が 解説されています。 シルクスクリーンの技法を使い原画となる絵本の型をつくり、布地に 黒インクで摺り、その後染料で彩色するというものです。 この2冊を通して読むと、知床の自然、歴史、生活の様子などが、 わかります。
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