大好き 夏!! 絵本館Top
夏の特集です。 私的なことですが、私は夏が大好きです。 お休みがあるからとかの社会的なことじゃなく、 とにかく、夏が大好きです。 その大好きな夏を、絵本で集めてみました。 このリストは、以前に季節限定特集でしたが、 編集しなおしています。 書庫にあるリストとは、別物です。
「なつのいちにち」
「まほうのなつ」
「祇園祭」
「あついあつい ひ」
「ふれ、ふれ、あめ!」
「なつのかわ」
「バスをおりたら」
「わたしの好きな場所 なつの日 納屋で」
「きつねのぼんおどり」
「夏の庭」


オンライン書店ビーケーワン:なつのいちにち 「なつのいちにち」 はた こうしろう   偕成社
一押しがこの絵本です。あちこちの書評で、夏を感じさせてくれる本と、
書かれていて、買い!と決めた絵本です。大当たりです。この本があれば、何時どこでも夏です。
一年中夏が楽しめます。夏大好きな私としては、うれしい本です。

表紙から夏です。少年が白い道を息を切らして走ってきます。
白い道がまぶしく目に飛び込んできて、あたり一面夏にしてくれます。
見返しも夏です。夏の雲がもくもくです。
中身はもっと夏です。
子ども時代の夏を思い出させてくれます。

この本は、理屈ぬきで開いてください。
きっと、そこには夏が広がって、子ども時代が広がります。


オンライン書店ビーケーワン:まほうの夏 「まほうの夏」 藤原 一枝/ はた こうしろう・作   はた こうしろう・絵  岩崎書店
上記の「なつのいちにち」の作者、はたこうしろうが絵を描いています。
こちらの本の方が、先に出版されています。はたこうしろうの作品を良く知らないのですが、
この絵本もまた夏です。本当に夏が一杯の本です。夏が好きなのでしょうか。

夏休みに都会の兄弟が、田舎のおじさんの家に遊びに行くお話しです。
都会にいる二人は、くた〜として、ホント暑そうです。(でも、私こんなのも夏として好きかな)
そして、田舎、(海と山と両方あるなんて、いいな。)楽しい日々が描かれます。
真っ黒になって過ごす夏休みの様子が、手に取るように描かれています。

私には、もう二度と戻ってこないあの夏の日、どのページをめくっても、涙が出そうです。
こんな絵本は、子ども時代真っ盛りの子どもより、大人に受けるような気がします。


オンライン書店ビーケーワン:祇園祭 「祇園祭」 田島 征彦   童心社
京都の祇園祭を絵本に再現した物です。
1976年に刊行された絵本を訂正・加筆して、復刊されました。

祇園祭の始まった理由から書かれています。
丁寧に、祇園祭の様子を追っています。絵本自体大型ですが、
中に2ページ見開きを縦に使った絵が何枚かあります。
圧倒されるほど大きく見えます。鉾を下から見上げるときっと
こんな風だろうと思えます。

絵は、最初キャンバスに描いて白いところを残したのだろうと
考えていました。ところが、型絵染という染物の一種だそうです。
田島征彦は、大学は染色図案科だったそうです。
影絵のような黒い線で囲まれた色は、鮮やかできれいです。
最後に7月1日〜31日までの祇園祭の執行を書いて、説明がされています。


オンライン書店ビーケーワン:あついあついひ 「あついあつい ひ」 しのづかゆみこ  佼成出版社
暑い暑い日といっても、暑い様子を描いてはいません。
描かれているのは、暑い日にあるにわか雨の様子です。
表紙は、つゆくさの中にじっとしている雨蛙です。

「ぬるいかぜがふいてきました。」という最初の文で、
雨蛙は、側溝の中から顔を出します。
まるで、今ここに風が吹いてきた感じです。

そして、ぽしぽしと雨が落ちてきて、一気に降りだします。
かえる、みみず、かたつむり、地面近くの様子が、
力強く描かれています。

雨が降り出して、アスファルトから立ち上る湯気のような
蒸気、特有のにおい、全てが今ここにあるようです。

私は、夏の暑さも好きですが、ものすごく暑い日に、
一気に雷雨が来るのが、たまらなくぞくぞくします。
この本は、まさに、私の大好きな様子を描いて
くれています。


オンライン書店ビーケーワン:ふれ、ふれ、あめ! 「ふれ、ふれ、あめ!」カレン・ヘス作 ジョン・J・ミュース絵 さくま ゆみこ・訳  岩崎書店
3週間も雨の降らない街の路地でのお話です。
久しぶりの雲に気が付いたテッシーは、友達に水着で集まるように、
知らせて回り、自分も母親に水着になることを、頼みます。

そして、4人の友達が集まる頃には、大粒の雨がポツリポツリと降り出し、
3週間ぶりの雨が降ります。
女の子4人は、おおはしゃぎで、路地を駆け抜け、大声で叫びます。
その騒ぎに、それぞれの母親も顔を出して、うなずき合います。
最後には、子どもと一緒に母親たちも、雨の中で踊りまわります。
カラカラ天気の久しぶりの雨じゃ、誰でも踊りだしたくなりますよね。

この絵本は、雨の前の様子がなかなかいいです。
夏の暑いものうく、けだるい様子が、母親の姿で、引っ掛かったレコードで、
表現されています。このあたりが、好きな夏の絵本として、リストアップ理由です。


「なつのかわ」 姉崎一馬  福音館書店
本当に残念ですが、すでに絶版らしく、表紙がどこにもありませんでした。
この絵本は、絵ではなく写真絵本です。
川の始まりから海までを追っています。それも、朝もやの中に生まれた川が、
夜に河口の手前につき、翌朝、明るい海に出るように構成されています。

文字は最初にしかありません。
「かわ――もりにうまれ、うみにむかう」

最初は森の霧です。森の中に漂っている霧が集まって、
川となっていくのだという予感にわくわくします。
瑞々しい緑の葉は目に眩しいように輝きます。
瀬をはやみ、とろとなり、子どもたちと戯れ、川は河口へと向かいます。
そして、海、すべての始まりであり、行き着く先。
夏雲の浮かぶ海の写真で絵本は終わります。

この本を見ながら、ずっと、「いまうまれたばかりの・・・・」
團 伊玖磨の「筑後川」を心の中で歌っていました。
そして、最後は当然、高田三郎の「水のいのち」の「海よ」が鳴り響きました。
いい歌だな、やっぱり。


オンライン書店ビーケーワン:バスをおりたら… 「バスをおりたら…」 小泉 るみ子/作・絵   ポプラ社
小学生の「わたし」が主人公です。「わたし」は、北海道に住んでいて、
町までが遠く、学校へ歩いて通っています。往きはお姉さんが一緒でいいのですが、帰りは、ひとりです。
バスも通っているのですが、運動になるから、歩いて帰ってくるように言われています。
でも、バスに一度乗ってみたいと思っていました。

ある日、10円を握り締めて、バスに乗ります。とても暑い日で、歩いては帰れないと。
バスは快適でしたが、見たこともない坂を上り慌てて降ります。そこは、家からいつも
見上げている炭鉱の町でした。
「わたし」は、家への道が分からず、がむしゃらに草むら、畑の中を歩きます。
やっと、知っている道に出た頃は、夕方でした。

「わたし」を取り囲む草むらや畑がページいっぱいに広がって、圧倒的です。
北海道の広さを、「わたし」の心細さを感じます。
でも、草のはずれ、赤とんぼの飛ぶ様、とうもろこし畑の様子、子供時代が
蘇るようです。
まさか、北海道にいたのではありませんが、結構田舎で、バスに乗るとき10円玉握り締めたし、
町に移ったばかりの頃、迷子になったこともあるので、(それも、学校帰りに、正確には試合帰りに)
「わたし」の気持ちがすっと私の中に入ってきました。

この本は、四季それぞれの本があって、4冊のシリーズになっているようです。
 

オンライン書店ビーケーワン:わたしの好きな場所 「わたしの好きな場所」 小泉 るみ子/作・絵  ポプラ社
北海道の自然の中で暮らす少女の夏休みのお話です。

夏休みになると、少女は隠れ家の納屋で過ごします。納屋には消毒薬や色々な道具が
置いてあり、使われなくなった古い道具もあります。それらが少女は大好きです。
絵本の中ほどで、大きなのこぎりをみつけ、祖母に尋ねます。祖母は開拓の頃の
話を少女に話します。原生林を夫婦で切り開いていった話です。
少女は、原生林の頃の様子が、実感できずに家の周りを歩き回ります。
最後は、トマトの収穫の様子、夏休みは始まったばかりと、終わります。

いいですね、夏休みが始まったばかりの日って、最高です。
何にも代えがたいです。
見開き2ページに一枚の絵で構成され、文章は短く、絵物語風です。
はっきりと人物の顔立ちは描かれませんが、北海道の大きさ、農家の中庭、敷地、納屋、
などなど、雰囲気がよく伝わってくる絵です。
「きつねのぼんおどり」  山下 明生・文  宇野 亜喜良・画   解放出版社
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主人公の「ぼく」は、夏休みにおじいちゃんの田舎へ遊びに来ています。
そして、つりを覚えて、毎日つりをしています。
その日はお盆、お盆は殺生をしてはいけないといわれましたが、「ぼく」は
かまわず釣りをしています。

お盆のためか、その日は一匹も釣れません。するとどこからか不思議な声が
「おぼんだから魚もぼんおどりやろ」

突然の雨に、急いで側に在った舟の中のござの下にもぐりこむと、
なんと打ち捨てられた舟のはずが、船頭が乗って漕ぎ出します。しかも、
その船頭の声は、さっきの不思議な声と同じです。

舟は、おじいちゃんに行ってはいけないと言われていた、向こう岸の森に着きます。
この森は、昔激しい戦があり人が死に、やがてきつねがたくさん住み着いたので、
山犬をけしかけた所です。だから、きつねのたたりがあるからと、近づいては
いけないと、言われているのです。

森の中では、盆踊りが行われていました。でも、不思議に何の音も声も聞えません。
たくさんの魚やおばけなどの仮装をした人々が踊っています。不意に後ろから
「せっかく きたんやで おどっていきいな」と声が掛かります。
「おどらな なんもはじまらん」「おどれば たちまち ともだちや」と。
「ぼく」は、きつねのお面を被って踊りだします。するとたちまち、たくさんの声、
音が聞えてきました。

やがて、踊りの歌は「しのだのもりのきつね」の物語になります。
佳境に入ると、禁じられているらしい太鼓も加わりました。皆歌に酔いしれ、
太鼓に躍らされていると、突然やまいぬが輪の中に乱入します。
大慌てで逃げ出しましたが、「ぼく」は気が付くと、雨宿りをした舟の中でした。
捜しにきたおじいちゃんに「森で盆踊りを踊った」と言う話をすると「お盆に
つりなんかするから、悪い夢でも見たのだろ」といわれます。

幻想的な物語に、ぴったりの絵です。薄く彩られた色合いは、遠い日を感じさせ、
また、遠い昔の物語を、きつねの盆踊りを、現実の中に浮かび上がらせます。


絵本ではありませんが、夏の本をもう一冊
オンライン書店ビーケーワン:夏の庭 「夏の庭」  湯本 香樹実  新潮社
3人の小学6年生、親のアルコール依存症、親の離婚、
進路などの問題を抱えています。
その3人が、死人を見てみたいと、近くの一人暮らしの老人を観察し始めます。
ところが、老人は3人が観察を始めると、むしろ、元気になり、次第に子どもたちと、
仲良くなります。

夏の間、老人と子どもたちは、様々な経験をしますが、老人は、秋の初め、
葡萄の頃に一人死んでしまいます。
そして、3人は、それぞれ新しい道へ進んでいきます。
それぞれの抱えた問題に、解決を見つけようとして。

新潮文庫で出ていますので、手に入りやすいです。
そして、読み始めると老人と子どもたちのやり取りなどが面白くて、
引き込まれていきます。
最後は、皆の問題が解決されるわけではないのですが、取りあえず一歩を
踏み出さなければという終わり方です。
子どもの気持ちを知ろうと思って読むのではなく、自分の中の踏み出せないでいる
自分のために読んでください。お勧めです。


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