ねこ ネコ 猫!!   絵本館Top

絶対イヌ派だった、わたし。でも、最近かなりネコ派です。
そこで、ここでは、ねこが絵本の中に登場するものを
集めました。多彩なジャンルがありますが、
絵本の中に主要な登場人物として、
あるいは、かわいらしく登場するものを、
ご紹介します。

 
「ばあちゃんのえんがわ」
「ぼくネコになる」
「ココ ゴリラと子ネコの物語」
「ねこの絵本」
「白猫
「15ひきのおしかけねこ」
「しつれいですが、魔女さんですか」
「猫さまとぼく」
「ポテトスープが大好きな猫」
「スキーをはいたねこのヘンリー」
「ねこのくにのおきゃくさま」
「夜にみちびかれて」
「風車小屋ねこカッチェ」
「ネズミあなのネコの物語」
「パッチワークだいすきねこ」
「ぼくそらをさわってみたいんだ」
「こんやは すてきな ゆきのよる」
「そばやのまねきねこ」
「ネコ的な遺伝子」
「ハコちゃんの箱」
「トンちゃんってそういうネコ」

オンライン書店ビーケーワン:ばあちゃんのえんがわ 「ばあちゃんのえんがわ」 野村 たかあき/作・絵 講談社

縁側に、となりのネコ、ばあちゃん、およめさん、
うらのじいさま、うちのまご、みんな集まって、
お茶のみしています。

絵は、版画で温かみのあるものです。
最後のページに大笑いしました。

 

オンライン書店ビーケーワン:ぼくネコになる 「ぼくネコになる」 きたむら さとし・作  小峰書店

最初、絵の雰囲気から、翻訳絵本とばかり思いました。
でも、どこにもカタカナの作者名がなく、
日本人の名前だけでした。
作者は、20年以上、イギリスに住んでいるそうです。
それで、こんな外国風の絵になったのでしょう。

おはなしは、小学生くらいのぼく、ニコラスと
ネコのレオナルドが、入れ替わってしまいます。
どうしてか?
ちょっと、どじな魔法使いのせいで。

一日入れ替わり、ネコの生活を体験します。

この本も、最後のぺーじで、クスクスクス・・・・・です。



オンライン書店ビーケーワン:ココ 「ココ」フランシーヌ・ペニー・パターソン文 / ロナルド・H.コーン写真 /
宮木 陽子・訳 / 松沢 哲郎・監修  あかね書房

ココというゴリラの本当にあったお話です。
ココは、手話で人間と話が出来るゴリラで、
作者のパターソン博士とは、30年(この本の出版時点で)
一緒に暮らしています。

ココは、絵本の中にでてくる、ネコが大好きで、
クリスマスプレゼントに子ネコを欲しがります。

ゴリラが、ペットを飼いたいと思うの?
と、誰でも不審に思われるでしょう。
ココと子ネコの写真を見てください。
とても、かわいい子ネコと、ほほえましい、
ココの様子。

そして、事故でその子ネコが死んでしまった時のこと、
私は、思わず大声で(実際は、外に聞こえないように、
押し殺して)泣きました。

やはり、ゴリラは類人猿です。
そして、最後に、ココの好きなテレビ番組
「野生の王国」




「ねこの絵本」 いもとようこ  講談社 

ねこの絵本〈2〉講談社の創作絵本
Amazonにリンクしています。「ねこの絵本」2です。 1はすでに、ないようです。

ねこ好きの方、必見の絵本です。
作者いわく「私をまいらせるねこどものポーズ集」

いもとようこの絵は、それだけでもかわいいのに、
さらに、ねこの可愛い仕草を集めています。
「ごろ〜〜〜ん」なんて、見開きいっぱいに
描かれていたら、もう、・・・・・。(^0^)
ちょっと曲げた前足、押し出すような後ろ足、
そして、肉球・・・・・。

ねこ大好きでも、飼えない方、せめて、絵本で、
可愛がって・・・。(^o^)



オンライン書店ビーケーワン:白猫 「白猫」 〔オーノワ夫人原作〕 / エロール・ル・カイン再話・絵 / 中川 千尋・訳 ほるぷ出版

いつみても、ル・カインの絵は、素敵です。
いつまでも、見ていたくなる絵です。

余談ですが、さくらももこが、ル・カインに
憧れて、イギリスに行ったエッセイが
あります。(私は読んでいないのですが。)

憧れのまほうつかい(新潮文庫)

まさに、魔法使いです、ル・カインの絵は。
この本の、白猫もとても、ビューティーです。

お話は、おとぎ話です。
ペローなどと同時代のオーノワ夫人が、
書いた原作を、ル・カインが再話した物です。
原作より、逸話を少なくしているそうですが、
ちょうどよいくらいのお話になっています。
3人の王子様が、王様の命令で、犬とお后を
見つけるというストーリーです。
最後は、おとぎ話という感じで終わります。

ル・カインの他の本をこちらで紹介しています



「15ひきのおしかけねこ」 ガブリエル・バンサンさく いまえよしとも・やく

15ひきのおしかけねこ
Amazonにリンクしています。表紙は、Amazonでご覧下さい。
この本は「テディベアのおいしゃさん」の続編です。
テディベアの貰い手が皆決まり、また、1人になったおじいさんの
ところに、15ひきの野良猫が、押しかけてくると言うお話です。
15ひきの野良猫は、世話をしてもらっていた人を亡くし、
次は、おじいさんに世話をしてもらおうと、相談がまとまったのです。

バンサンは、線描の確かさでは、折り紙付きです。
この絵本も、鉛筆デッサンの上に、水彩で色を付けたものです。
でも、正直、バンサンの描く猫はかわいくありません。
あまりに、絵がうますぎて、ねこが猫なのです。
それに、私の好きな子猫もでてこないし・・・・``r(^^;)

それが、ページが進んでいくと、その猫たちが、
おじいさんの気持ちと一緒で、いとおしくて、になるのです。

窓越しに、困った顔をして見せる猫、
部屋の中で、困惑した顔のおじいさん。
勝負ははたしてどちらに?


オンライン書店ビーケーワン:しつれいですが、魔女さんですか「しつれいですが、魔女さんですか」エミリー・ホーン/作 パヴィル・パヴラック/絵 江国 香織/訳
          小峰書店

ひとりぼっちの黒猫ハーバートが、図書館で魔女の百科事典を読んで、
魔女が黒猫を愛することを知り、魔女を探しにいきます。
百科事典に書かれていた魔女の特長を手掛かりに、探すのですが、
なかなか見つかりません。
黒ネコは、不吉な印と思われたり、掃除のおじさんのほうきを
魔女のほうきと間違えたり。

黒猫ハーバートは、かわいいふわふわのネコに描かれていませんが、
それでも、結構かわいいです。

中表紙に、魔女の特徴が描かれています。
ハーバートと一緒に魔女を探したりして・・・。


オンライン書店ビーケーワン:猫さまとぼく 「猫さまとぼく」 岩合 光昭/文・写真  岩波書店
動物写真家として有名な岩合光昭の写真絵本です。
岩合光昭自身猫が大好きと言うだけあって、猫の色々な姿が、
写されています。

子猫のかわいらしさは言うまでも無く、野良猫のふてぶてしさや、
外国の猫のちょっと違う顔つきなど、見ていて飽きることがありません。
私のお気に入りは、親子の猫が行進していく姿です。
親猫の後を、しっぽをピンと立てた子猫四匹が追っていく写真です。

絵とは違う楽しさを味わってください。


オンライン書店ビーケーワン:ポテト・スープが大好きな猫 「ポテト・スープが大好きな猫」 テリー・ファリッシュ作 / バリー・ルート絵 / 村上 春樹・訳 
講談社

アメリカの絵本で、村上春樹が本屋で見付けて帰宅するなり、翻訳したというものです。
頑固なおじいさんと頑固な年取った雌猫の二人暮しの物語です。

ポテトスープが大好きな猫をおじいさんは結構気に入っています。でも、そんな素振りは見せません。
猫もおじいさんの気を引こうなんてしません。それでも、結構二人は(一人と一匹ですが、やっぱり二人
暮らしです。この二人は)楽しくやってます。
おじいさんの日課は、猫を連れて釣りに行くことです。ある日、猫が起きてこないので、おじいさんが
ひとりで出かけてしまうと、猫は、家からどこへともなく出て行ってしまいました。

おじいさんは、寂しかったのですが、そんなこともあるさと、諦めていました。
ところが、猫は戻ってきました。大きな魚を持って。怒りに燃えた目をして。
猫の何があったかの説明箇所がとってもいいです。きっと、猫はこうやって自己主張するだろうなと
思えるシーンです。
おじいさんは、「ねずみもさかなもつかまえなくてもいいんだよ。今のままのおまえで
いいんだよ」と猫に言いましたが、猫は知らん顔です。
でも夜更けには、二人は仲直りをしました。という終わりです。

で、最後に疑問、ポテトスープって所謂ヴィシソワーズじゃなくて、冷製スープじゃないのですね。
猫って、猫舌だから冷ましたのを飲むのかしら。(^^ゞ


オンライン書店ビーケーワン:スキーをはいたねこのヘンリー 「スキーをはいたねこのヘンリー」
メリー・カルホーン文 / エリック・イングラハム絵 / 猪熊 葉子・訳  リブリオ出版

文字通り、スキーをはいた猫のお話です。
「ヘンリーは うしろあしでたって あるきます」と始まります。
猫のヘンリーは、後ろ足で、人間のように立って歩けます。そこで、飼い主の男の子は、
スキーを教えようとしました。ところが、スキーは好みじゃなかったらしく、
出来ませんでした。

さて、週末が終わり町へ帰る車に、家族とともに乗り込んだヘンリーは、忘れ物に気が付きます。
おもちゃのネズミです。それを取りに行っている間に、なんと、車は行ってしまいます。
ヘンリーは考えました。
「みんな、町に着くまで、猫がいないことに、気が付かないだろう。
お父さんが運転しているのだから、探しに来てもくれないだろう」と。

家族は、猫のヘンリーをかわいがっていますが、お父さんだけは、猫が好きじゃないのです。
そこで、ヘンリーは、スキーで帰るしか方法がないと、思います。
嫌だったスキーを履いて、滑り出しました。最初は、転びながらですが、坂道を滑り降りると、
男の子がスキーを楽しんでいた訳が、ヘンリーにも分かりました。

ヘンリーは、森でおおしか、うさぎ、かけす、そして、コヨーテに出会います。
コヨーテは、ヘンリーを狙って、迫ってきます。
ヘンリーはスキーで逃げますが、下り坂になり大きくコヨーテを引き離しました。
そこへ、車のヘッドライト。車には、頭が二つ。男の子と、お父さんです。
猫の好きじゃないお父さんが、探しに来てくれたのです。
ヘンリーは、スキーを雪の中へ押し込み、助けを呼びます。「ミャーウ」と。

この絵本のお話は、ファンタジーですが、絵はリアルです。
でも、柔らかなパステルでしょうか、好みの絵です。
猫がスキーで滑る絵は、本当に猫は、滑るのかと思うくらいです。
最後に、猫がすきじゃないお父さんが迎えに来るところ、大好きです。


オンライン書店ビーケーワン:ねこのくにのおきゃくさま 「ねこのくにのおきゃくさま」
シビル・ウェッタシンハ・さく / まつおか きょうこ・やく  福音館書店

ねこのくにがありました。ねこたちは働き者で、何不自由なく暮らしていました。
でも、幸せと言うわけではありませんでした。ねこの国の人たちは、楽しむ事を知らなかったのです。
音楽も踊りもなかったのです。
ある日、海の向こうから、不思議なお面をつけた二人のお客様がやってきました。
不思議なお客様は、音楽を奏でながら踊りました。ねこの国の人たちは、この踊りを見て、
とてもよい気持ちになりました。

やがて、王様に招かれた不思議なお客様は、王宮で踊ります。
踊りが終わると、王様は二人を晩餐会に招きました。そして、いつも取らないお面を取って
欲しいと頼みました。すると、二人は命を守る為に、取れないのだと、拒みます。
王さまは、これからも友人として付き合うのだから、ぜひとって欲しいと望みます。
二人は、王様に命の保障を約束させ、お面を取ります。なんと、お面を被っていたのは、
ねずみだったのです。

王宮中、丸々と太ったねずみを食べたくて、大騒ぎになりました。
でも、王さまは名誉にかけて命を守ると約束したのです。その約束は破れないと、
皆を落ち着かせました。王さまは、ねずみたちの勇気を褒め称えました。
ねずみたちははその後も何日か王宮に滞在し、子どもたちに踊りを教えて帰りました。

こうして、ねこの国にも音楽と踊りが伝わり、ねこの国の人たちは、幸せになりました。

スリランカの作家のお話です。ねこの国にねずみが音楽を教えに行くと言う、不思議な
シチュエーションです。生まれつきねこって、のんびりしていて、働き者には見えませんが。

絵はクレパスで紙の質感を生かしたような描き方です。ねずみの踊りの様子など、躍動感が
あります。全体的には、パステルカラーのやさしげな感じです。


オンライン書店ビーケーワン:夜にみちびかれて 「夜にみちびかれて」
ロイス・ダンカン文 / スティーブ・ジョンソン絵 / ルー・ファンチャー絵 / 成沢 栄里子・訳  BL出版

ねこを主題にして、抽象画を描いたような雰囲気の絵本です。
筋だったお話はなく、ねこの様子を観察していると、こんな感じ、という絵が続きます。
題名の「夜にみちびかれて」のとおり、昼間と違い夜はわたしのお出かけの時間、という
ことで、つま先だって夜の世界へ出かけていきます。文章は、詩的に短い物です。
絵の全体から、ベルベットの感覚、ねこの毛並みの感じを感じさせます。
絵本のページを開くと、まるでねこを撫でている感じです。ウフッ(^o^)


オンライン書店ビーケーワン:風車小屋ねこカッチェ 「風車小屋ねこカッチェ」
グレッチェン・ウェルフレ文 / ニコラ・ベイリー絵 / 今江 祥智・訳 / 遠藤 育枝・訳  BL出版

風車小屋で飼われているねこのお話です。
粉屋のニコとカッチェは、のんびりと暮らしていました。粉を引くニコの側で、カッチェはネズミを
取ります。ふたりで、仲よくやっていたのですが、ニコにお嫁さんがくると、そうも行かなくなります。
やがて、子どもが生まれると、カッチェは家から風車小屋に、移り住んでしまいます。

でも、カッチェは、子どものアネッケが大好きでした。
アネッケもカッチェが大好きで、時々、家に帰って、二人で遊んでいました。

ある嵐の日、風車小屋にニコの奥さんは、お弁当を届けに来ます。ところが、その時、堤防が崩れ、
一気に水が押し寄せて、ニコの家も流されてしまいます。ちょうど、この時カッチェは家に帰り、
アネッケの側にいました。そして、アネッケは、寝ているゆりかごごと水に流され、その上に、
カッチェが乗っていました。カッチェは流されながら、ゆりかごのバランスを取り、水に沈まない
ようにします。こうして、アネッケは助かりました。その後、カッチェは家に戻り、やがて
いらなくなったゆりかごに、特別の布団を敷いて、眠るようになりました。

このお話は、作者のウェルフレが、オランダ旅行中に1421年におきた洪水で、
猫と赤ちゃんが生き残った話を聞いて、書いたものです。
この後に築かれた堤防を「キンダーダイク」(子どもの堤防)と呼ぶそうです。

絵は写実的ですが、タッチが柔らかく、暖かみのある絵です。洪水の場面では、見開きを
カッチェが乗ってバランスを取るゆりかごでいっぱいにして、迫力があります。


「ネズミあなのネコの物語」 
アントーニャ・バーバ文 ニコラ・ベイリー絵 今江 祥智/遠藤 育枝・訳 ブックローン出版

「ネズミあな」とは、イングランド地方で、冬の嵐から港を守るために
築かれた防波堤の出入り口のことです。
扉にトム・ボーコック氏のコーンウォール地方の昔話から、生まれたお話と記されています。

昔、この地方に「はなこ」というネコが、漁師のトムじいさんと暮らしていました。
はなこには、こどもたちが何匹も居て、村のあちこちにいます。そして、はなこは、
こどもたちの所を訪ねるのですが、こどもたちが人間のしつけをちゃんとしなかったと
嘆きます。はなこは、トムじいさんを良くしつけているので、とても、居心地がいいのです。

ネコが人間をしつけると言う感覚で、文章が書かれています。なかなか面白い表現です。
でも、猫は、確かにそんな感じです。きっと。

ある冬、海が荒れて漁に出られない日が続きました。やがて、食料が底をつきます。
トムじいさんは、自分には、家族が無いので哀しむ者がいないから、自分が漁に出て、
魚を取ってくると、はなこに話します。はなこもおじいさんのいない家で暮らしても、
仕方がないからと、付いていくと決めます。

翌朝、誰も起きださない内に、ふたりは出かけました。
嵐を、大ネコと表現しています。大ネコにふたりは向かっていくのです。
嵐の場面は、海の中から大きなネコが湧き上がり、小さな船に手でじゃれている様な絵です。

港では、おじいさんの家の窓に、灯りが灯っているのを見て、おじいさんが漁に出て行った
ことを知った村の人が、村中の窓に灯を灯し、男たちがランタンを灯して待っていました。
おじいさんとはなこは、嵐の大ネコに勝って、魚をたくさん持ち帰りました。
村では、その夜、お祭り騒ぎです。たくさんのご馳走が振舞われ、村人もねこたちも大満足です。
村では、それから、クリスマスイヴのの前の晩になると、魚祭りを開きおじいさを称えました。
ネコたちは、はなこを称えて、声を張り上げました。

ニコラ・ベイリーの絵は、細かく細部まで描かれています。それでいて、嵐の様子など、
大波から湧き上がる大ネコを描き、幻想的に仕上がっている場面もあります。見ていて、
飽きない絵です。


「パッチワークだいすきねこ」 
 ニコラ・ベイリー絵 ウィリアム・メイン文 今江 祥智/遠藤 育枝・訳 ブックローン出版

主人公はシマシマちゃん、日本では「きじとら」と呼ばれる縞模様の猫です。
シマシマちゃんは、パッチワークの小ぶとんが大好きです。でもある日、お母さんが
それを捨ててしまいます。シマシマちゃんは、小ぶとんを探しに出かけます。
小ぶとんは、ゴミ缶の中でした。シマシマちゃんが見つけた小ぶとんで、一眠り
していると、ゴミ缶のゴミが収集車へ集められて、ゴミ捨て場に一緒に運ばれてしまいます。

ゴミ捨て場には、ネズミがいっぱいでした。でも、シマシマちゃんは、片隅でじっと夜明けを
待って、門が開くと小ぶとんを抱えて、外へ出ました。やがて、牛乳配達のおじさんに出会い、
家まで送ってもらいます。小ぶとんは洗ってもらって、またシマシマちゃんが使えるように
してもらいました。

このお話も、ネコの視点からの文章があります。シマシマちゃんが小ぶとんを捨てられた
場面で、「この人たちには出てってもらわなきゃ。かわりに牛乳おじさんを、
おいてあげましょ・・・。」とあります。いかにも、ネコの考えそうな事です。

上の2作同様、ニコラ・ベイリーの絵は、猫の描写も人も背景も、細部まできれいに
描き込まれています。個人的好みで、このシマシマちゃんが猫としては、好みです。(^^ゞ


オンライン書店ビーケーワン:ぼくそらをさわってみたいんだ 「ぼくそらをさわってみたいんだ」 さとう わきこ・作 / 岩井田 治行・絵  ポプラ社
まず、この絵本の仕掛けに驚かされます。
手の込んだ仕掛け絵本ではありませんが、とても面白いです。
ごく普通の横向きの絵本が、表紙を開けると、縦になるのです。見開き2ページが縦になり、
一つの場面になっています。これによって、空への高さ、広さなどが強調されます。

お話はとてもかわいいです。小さなしましまの猫が(個人的に好みの猫ちゃんです。)
空に触りたいと、伸び上がっている表紙から始まり、カメ、きつね、ぶた、くま、かば、
ゾウが台になって、空まで手を伸ばします。そして、空まで手が伸びると、なんと雷の
子どもが落ちて来てしまいます。でも、もう一度順番に動物たちが、台になり、雷の
子どもを空に帰して上げるというお話です。

絵は、動物たちを写実的に描いています。また、俯瞰図になっていて、気持ちのよい
草原を見下ろしている気分です。どちらかというと動物たちの後ろ向きの絵が多く、
それがまた、かわいいです。


オンライン書店ビーケーワン:こんやはすてきなゆきのよる 「こんやはすてきなゆきのよる」 しばはら ち作・絵  鈴木出版
くろねこののらねこが、寒い雪の夜に、白い猫と出会います。
黒猫と白猫は、二匹で、雪がチョウチョだったら、お団子だったらなどと、想像し合います。
すると、周りの雪が言葉に合わせて、チョウチョになったり、お団子になったりします。

最後に、白猫は黒猫がお腹がすいているならと、誘います。その場面がとても素敵です。
黒猫が、白猫の周りに白い花を見ます。幸せそうな感じです。
白猫の飼い主のおばあさんのところで、黒猫も一緒に雪をみながらお食事で終わります。
どことなく、ホッとするお話です。

絵はすべて見開き2ページを使い、断ち切りで画面いっぱい広がっています。
かなり横長ですので、見ごたえもあります。雪の夜ですが、基調となる色は、
青色、淡い紫などで、暖かさがあります。


オンライン書店ビーケーワン:そばやのまねきねこ 「そばやのまねきねこ」 村田 エミコ/作・絵  岩崎書店
Amazon
おそばやさんのショーウインドウに飾られているまねきねこ、
たまには外へ遊びに行こうと、夜の街に出かけます。まわりのお店のまねきねこも誘います。
パン屋、おすし屋、眼鏡屋、銭湯、布団屋と、商店街のまねきねこが、だれもいない
夜の公園で遊びます。そこへ、大きなネズミが襲い掛かりますが、煙突の上まで逃げて、
みんな無事でした。

やがて、夜が明けると、それぞれの店に戻ります。にぎやかないつもの日になります。

賑わっている商店街の様子が、うれしい絵本です。今でもこんな風に賑わった商店街が
どこかにはあるのでしょうね。ビルの街じゃない昔ながらの商店街が、懐かしい感じです。

絵は、版画で藍色です。その中に蕎麦屋のまねきねこだけ、首輪と座布団が赤です。


「猫色の時間」 目羅 健嗣・著   ARTBOXインターナショナル
「ネコ的な遺伝子」の画像がありませんので、同じ作者の本で、絵の感じだけでも。
ネコと女性が似ているというお話です。
といっても、ストーリーがあるのではなく、ネコの様子を一枚ずつ描いて、
そこに、短い文章がついています。
「しっぱいはひとのせいにする」「よわいもんはいぢめる」「きたいないものはみない」
など、格言のように書かれています。

その言葉どおりの絵が、ホントにネコ好きの人が描いているなと、うれしくなります。
ネコを飼いたいけど、飼えない人にお勧めです。これ一冊あれば、そばにネコがいるような
気分になれます。


「ハコちゃんのはこ」 竹下 文子・作  前田 マリ・絵    岩崎書店
「ハコ」と言うネコのお話です。
ハコちゃんは、ハコが大好きで、どんな箱にも入ってしまいます。
小さな箱に入ろうとして、手だけ入れた姿、穴が空いている箱のあぞび方、
冷たいので入れない箱《冷蔵庫》とかを、ハコちゃんの表情豊かに描いています。

絵は、筆の後が残るような感じの絵ですが、とても暖かみのある色合い、筆遣いです。
ハコちゃんの表情もとても可愛いです。
ゆっくりと、ハコちゃんと遊んでください。


「トンちゃんってそういうネコ」  Maya Maxx  角川書店
「トン」ちゃんというネコのお話です。
トンちゃんはシマシマの普通のネコです。でも、足が一本ありません。
だから、早く走れなくて、けんかをしても追いかけられないし、ネズミや鳥も
逃げられてしまいます。
「でも」と絵本は続きます。三本の足でゆっくり歩いたり、雨の落ちるのを見たり、
風のにおいをかいだり、ニボシをたべたり、するのが大好きと。

画面いっぱいに、墨一色で描かれたトンちゃんは迫力があります。
それに、後半のトンちゃんは、とてもロマンチックで可愛いネコです。

この猫は、実在しないそうです。作者の中で、自分の飼っているネコと
近所の小学生の男の子を見ているうちに、生まれたストーリーだそうです。
詳しくは、絵本のあとがきにあります。

どの視点でも、ネコや少年を可哀想と見ない、作者の気持ちが優しくて、
素敵です。
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