庭仕事好きな貴方に  絵本館Top

「リディアのガーデニング」
「リネア モネの庭」
「ロージーの庭」
「ぼんさいじいさま」


オンライン書店ビーケーワン:リディアのガーデニング 「リディアのガーデニング」 サラ・スチュワート/文 デイビッド・スモール/絵 福本 友美子/訳  
           アスラン書房

1930年代、アメリカが不況の時のお話です。
田舎町に住むリディアは、暮らし向きが良くなるまで、町のおじさんのところで
暮らすことになります。その間に、出した手紙を文章としています。

町のおじさんは、パン屋です。意地の悪い人ではないのですが、にこりともしません。
リディアは、ガーデニングが得意で、パン屋を手伝いながら、お花をたくさん咲かせます。
周り中お花でいっぱいですが、おじさんは相変わらずにこりともしません。
やがて、おじさんの誕生日に向けて、リディアと従業員のエマは秘密の場所で、ガーデニングを
始めます。

文章の無い箇所が、ところどころあります。そこは、文章以上に、絵が語っています。
絵本の醍醐味というところでしょうか。
また、この本は、見返しから見返しまでストーリーになっています。
だから、文章の無いところは、表紙を含めて結構あります。
絵はスケッチに色をつけた感じなので、お花を一つ一つ細かく描いていませんが、
雰囲気のある絵です。

最後には、リディアの優しさ、おじさんの優しさに、泣かされました。(いつもだけど(^^ゞ


「リネア」  クリスティーナ・ビョルク文 / レーナ・アンデション絵 / 福井 美津子訳   世界文化社
 表紙画像はありませんが、bk1にリンクしています。

リネアという少女が、画家のモネの庭に旅行に行くお話です。
モネというと「睡蓮」が思い出されますが、モネは庭に池を造り、「日本の橋」と名づけた橋を
架けました。この橋からリネアは、池を見たいと願っていて、近所のブルームさんという
おじいさんと、ふたりで旅行に行きます。

「リネア」はシリーズ物で、何冊も出ています。特にこの「リネア モネの庭で」は、人気が
あるそうです。
絵を担当のレーナと作者クリスティーナは、小中学校が一緒で、このシリーズを共につくりました。

絵本の中は、絵と写真とで構成され、モネの庭の紹介だけでなく、モネの生涯、モネの家族の
話まで載っています。庭の草花の様子が写真で紹介され、モネの家族の様子の写真があり、
園芸好き、絵画好きの方々に、お勧めです。

絵本の中の絵には、モネの絵も掲載されていますが、この油絵とレーナが描く水彩の対比が、
とてもよく、楽しめます。

この絵本を読んで、是非行って見たいところが増えました。
もちろん、「モネの庭」です。残された家は美術館になっているそうです。


「ロージーの庭」 エリザベス・レアード/文 市川里美/絵 坂崎麻子/訳 リブロポート

ロージーという女の子が、おばあさんのところで、庭仕事をしながら、
過ごす夏休みのお話です。
といっても、物語があるのではなく、ハーブの知識や、植物の知識、
花言葉などの、短いお話がページごとに書かれています。

絵がまたとても素敵です。庭仕事が好きな方は、ぜひ手に取ってください。
幸せ気分間違い無しです。

私は、特にロージーのおばあさんが話す、子どもの時の出来事が、
とても好きです。
涙なしには、読めませんでした。(近頃特に涙腺が緩んで来たようで。(^^ゞ

本屋さんでは、扱っていないようですので、図書館で探して
見て下さい。


  「ぼんさいじいさま」木葉井悦子 文・絵  ビリケン出版
クリックしてください。Amazonで、表紙を確かめられます。

とても優しい絵です。
表紙には、しだれ桜の盆栽の中に、小さくなったぼんさいじいさまが、
桜を眺めている様子が、描かれています。
絵の一枚一枚、(すべて見開き2ページ分が一枚の絵になっています。)
ていねいに見ていくと、動植物が細かく優しげに描かれています。

おじいさんが亡くなる日のことを、描いている本ですが、人生の終わりに
こんな最後があるならばと、ほっとするような、思わず微笑んでしまう絵本です。
そして、最後の見開きの絵、ぼんさいじいさまが、迎えに来たひいらぎ少年と
向こうへ逝ってしまう、手をつないだ後姿は、寂しさを感じさせません。

前へ ページTop絵本館Top次へ