| 「雑草のくらし」 |
| 「ある池のものがたり」 |
| 「一本の木の物語」 |
| 「まいごのこねことふしぎないえ」 |
| 「さかなのかお」 |
| 「春の主役桜」 |
| 「大地のめぐみ土の力大作戦」 |
| 「空のひしゃく北斗七星」 |
| 「木のうた」 |
| 「えぞまつじいさん」 |
| 「ブナの森は生きている」 |
「雑草のくらし」 甲斐 信枝・さく 福音館書店
この本のために、作者は、五年間京都比叡の山のふもとに
借りた畑あとに通い、観察を続けました。
雨の日も、風の日も、暑い夏の日も、雪の日も。
じっと、見つめ続けました。
そして、この観察絵本が出来上がったです。
芽を出し、葉を茂らせ、花を咲かせ、種をまき、
枯れていく、雑草の様子を、ていねいに描いています。
五年間には、雑草も遷移し、色々な表情を見せてくれます。
植物とともに、小さな昆虫も描かれています。
五年間通い観察を続けた作者も大変ですが、
周りの畑の持ち主が、何も言わずに協力して
くれたのも、すごいことだと思います。
少し草が茂っても、種が飛んでくるからと、
うるさく言う人も世の中、居るのですから。
「ある池のものがたり」 三芳悌吉 さく 福音館書店
新潟市の西大畑町にあった「異人池」という、池の誕生から、
なくなってしまうまでを描いています。
この池は、作者が子どもの頃、魚釣りに通った池です。
後年、作者は、子ども時代をなつかしみ、異人池の絵本を
作るということになったそうです。
異人池は、明治の初めころに教会が建てられ、その土台土を
掘った穴に、水が湧いて出来たものです。
最初の頃は、きれいな清水で、水辺には、クレソン、クローバー、
グーズベリーなどが、植えられました。
そして、人々の憩いの場になりましたが、その後、洪水があったり、
清水が涸れたりで、遷移していきます。
絵は、作者の池に対する愛着が感じられるものです。
見開きページの、人々が憩う様子など、さわやかな風が
頬を撫でる気がします。
どの絵もさわやかな、水彩です。
「一本の木の物語」 N・ロマノフ作 G・スピーリン絵 みなみらんぼう訳 文化出版局
森の中に一本の木があり、その木が雷に打たれて折れるところから、
物語が始まります。
木は切り倒され、残った切り株は、キクイムシの巣になり、
ありの巣になり、・・・・と、次々に虫や獣が訪れます。
最後に、人間もやってきます。
みな、切り株は自分の物だと思いますが、
木は森の物、森はすべての生物のもの、というお話です。
文章は、好みでいえば、あまり良い文章とは、感じられないのですが、
絵が素晴らしいです。ミニアチュール(細密画)のようで、
わたしは、こんな感じの絵が好きです。
最後に木は、若木として、再生します。
「まいごのこねことふしぎないえ」 森津 和嘉子/作・絵 金の星社
とても柔らかな感じの絵で、楽しい山遊びを描いています。
子猫が登場していますが、それより、山の植物の描き込みが
素晴らしく、見ているだけで、子ども時代を思い出します。
「ふしぎないえ」といっても、こんな暮らしができたら
いいなあ、っていうお家です。
「さかなのかお」 なかの ひろみ・文 / ともなが たろ・絵 / まつざわ せいじ・知恵袋 アリス館
題名通り、魚の顔の絵本です。 魚の顔を正面から描いてます。この正面から描くというのは、とっても難しいのです。 そのほかの方向からも描かれ、魚の特徴がよく分かるようになっています。 さかなの顔についての説明が、目、鼻、口、耳に分けられて書いてあります。 この本で、水族館に行った気分になれます。 この絵本はシリーズもので「絵本・すいぞくかん」として、4冊あります。 それにしても、絵を描いた「ともながたろ」は、おさかな大好きなんですね。
「春の主役桜」 ゆのき ようこ・文 早川 司寿乃・絵 理論社
春の主役、やっぱり桜です。桜について描かれた絵本です。 日本で現在好まれている桜は、ソメイヨシノですが、ではなぜ一斉に咲くのか。 桜の開花の仕組みは?ソメイヨシノ以外の桜はどんな物があるのか?などなど。 小さな天狗さんと小さな柴犬が案内役になって、全国を紹介します。 桜の季節が恋しくなる絵本です。 絵は、どこかで見覚えがと思ったら、梨木香歩の「マジョモリ」を描いた人でした。 すんなりとした線で、淡くても淡すぎない色使いがとてもきれいです。 絵本の中で、福島県三春町(みはるちょうとなっていますが、みはるまちと思います) の「滝桜」について、「滝」という地名から名づけられたとありました。 私も主人も、滝のように流れる桜の意味だと思っていました。でも、すごい枝垂れ桜です。 機会があったら、是非一度はご覧下さい。(この記述、福島県観光協会に協力?!しました。(^^ゞ
「大地のめぐみ土の力大作戦」 かこ さとし・作 小峰書店
大地について、解説された本です。というと、科学っぽい絵本で、 ちょっと、という方は、表紙を良くご覧下さい。どこかで見た絵ではないですか。 ミレーの「落穂ひろい」です。この絵本は、科学のことがわかりやすく解説された絵本ですが、 中の絵には、すべてミレーの絵を取り入れています。 こんなにちょうど良い絵があったのですか?と聞きたくなるくらい、上手く取り入れています。 また、色合いもミレーを思わす色合いで統一されていて、とても見やすいです。 グラフもいくつも出てきますが、数にアレルギー?の人もOKです。気持ちよく見られる わかりやすさです。 大地とは何か、初めて知りました。また、土は50センチから1メートルほどしかない ということにもびっくりです。さらに、いまさらながら、有機肥料、微生物の大切さがよく わかりました。 最後に、作者のあとがきがひどく哀しくて、ここで泣きました。 泣く絵本好きの私としては、絵本で泣くのは当然ですが、このあとがきに語られるおはなしは、 哀しかったです。人って、何て哀しいことを平気でしてしまうのでしょうね。
「空のひしゃく北斗七星」
自然といっても、大きく今度は、目を上に向けて頂きます。 夜空の星の物語です。折から冥王星が太陽系の惑星ではない、という決定がなされたところで、 (2006.8)世の関心が空に向いていましたが、この絵本はおなじみの北斗七星について、 描かれたものです。 文は天文学者の夫が、絵は絵本作家の妻が描きました。 北斗七星と北極星の関係、世界の国々で、あるいは昔の人々はどのように北斗七星を 見てきたかなど、科学的なお話ですが、可愛いイラストを入れながら解説しています。 科学嫌いな方も楽しめます。 絵はモノクロですが、しっかりと描き込まれています。 わかりやすく分割されたり、くまの親子が登場したり、太陽や地球に顔が描かれたり、 見るだけでも楽しいです。 楽しめて、物知りになれる絵本です。
「木のうた」 イエラ・マリさく ほるぷ出版
字のない絵本です。 大きな木を中心にして、四季の移り変わりを描いています。 最初は、冬です。冬眠中のやまね?(リス?特定できません)が大きな木のそばの 土の中で眠っています。木の向こう側には、草の実が眠っています。 やがて春になり、冬眠から目覚めたやまねが、木に巣をかける鳥の番いを見ています。 そして、鳥の子どもたちが巣立ち、草がのび、大きくなる様子を、四季の様子と ともに、描いています。 最後は、また冬の様子で終わります。 すべての子どもから、大人まで、世界中の人が見て納得できるお話です。 絵もとてもすっきりとして、デザイン的で美しいです。
表紙画像がありませんでした。 北海道の自然を描いた絵本です。年老いたエゾ松が物語るお話です。 エゾ松の住む森の中で、一生懸命生きている獣や鳥の様子を、細かな絵で描いています。
一面緑の森です。ブナの森の遷移を四季を通じて、描いています。 ブナの森はすでに極相林(ブナの森になるまでに、幾つかの木々の森が形成されて 次々と移り変わり、最後に辿り着く森の形)ですので、遷移と言っても、 老木が倒れた後の若木や、嵐に遭った後、森がどのように立ち直るかという 事です。 緑の森の中を歩いているような気になります。 「雑草のくらし」の姉妹版と言う事です。
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