「感動のシーン」 『リディアのガーデニング』 『パパはジョニーっていうんだ』 『ないたあかおに』 『はしれ江ノ電ひかりのなかへ』 チョッコラム |
1930年代、アメリカが不況の時のお話です。 田舎町に住むリディアは、暮らし向きが良くなるまで、町のおじさんのところで 暮らすことになります。その間に、出した手紙を文章としています。 町のおじさんは、パン屋です。意地の悪い人ではないのですが、にこりともしません。 リディアは、ガーデニングが得意で、パン屋を手伝いながら、お花をたくさん咲かせます。 周り中お花でいっぱいですが、おじさんは相変わらずにこりともしません。 やがて、おじさんの誕生日に向けて、リディアと従業員のエマは秘密の場所で、ガーデニングを 始めます。 文章の無い箇所が、ところどころあります。そこは、文章以上に、絵が語っています。 絵本の醍醐味というところでしょうか。 また、この本は、見返しから見返しまでストーリーになっています。 だから、文章の無いところは、表紙を含めて結構あります。 絵はスケッチに色をつけた感じなので、お花を一つ一つ細かく描いていませんが、 雰囲気のある絵です。 最後には、リディアの優しさ、おじさんの優しさに、泣かされました。(いつもだけど(^^ゞ
離婚した両親のためにママと暮らすティムが、 一日、パパと過ごす日です。 駅のホームで待つところから、始まります。 映画を見たり、図書館に行ったり、レストランに入って食事をしたり、 一日中、ティムは「ぼくのパパだよ、ジョニーっていうんだ」と どこへ行っても、皆に話します。 でも、一日はあっという間です。とうとう、パパが帰る時間になりました。 電車がホームに入っていますが、パパは「まだ、2,3分あるから、」 と言って、ティムを抱きかかえ車内に。 車内で「この子は、ぼくの息子です。最高にいい息子です。 ティムっていうんです!」と叫びます。 最後のページは、ママが寄り添って、ティムが遠く何もない線路を 見つめています。 絵は、紙の質感が残るようなクレパス、色鉛筆のような感じです。 こんな絵もとても素敵です。
「ないたあかおに」のお話は、どなたもご存知と思いますが、
(このお話を知らずに大人になった人もいますが、身近に一人・・・
わたしの配偶者``r(^^;)
だれでも、このお話に涙しない人は、いないのじゃないかと、
思っています。
この本は、浜田ひろすけ自身が、原作を小さな子供用に書き直した、
文章量の少ない原稿をもとにしたものです。
また、絵を描いた岩本康之亮は、独特の美しい画風に定評があると
説明されています。
説明の通りで、絵が気に入っていて、「ないたあかおに」の絵本として、
ここで、取り上げました。
最後に「ないたあかおに」と父、という題で浜田留美という娘さんの
文章が載っています。
浜田ひろすけのエピソードが、じんわりと素敵です。
拡張型心筋症という重い心臓病を患っている少年の夢をかなえるお話です。 「メイク・ア・ウィッシュ」というボランティア団体の紹介で、このお話はTVでも、 取り上げられているので、ご存知の方も多いと思います。 「ともくん」の母親は、拡張型心筋症という病気でともくんが9歳の時に亡くなります。 ともくんも同じ病気で、小さいときから外で遊ぶことができず、家の中で電車のおもちゃで 遊ぶことが大好きでした。特に江ノ電は大好きで、大人になったら江ノ電の運転手のなりたい と思っていました。 中学生になると、病気はますます重くなり、入院生活を送るようになります。 そして、主治医から父親はともくんの余命を告げられます。その時同時にともくんの夢を かなえてあげたらと、「メイク・ア・ウィッシュ」を紹介されました。 ともくんの夢をかなえるために、周りに人たちは協力しました。この間の様子は、 TVで紹介されたので、涙無しでは(涙もろい私としては)読めませんでした。 (人々の協力は、何にも代えがたい素晴らしさが・・・・。月並みですが) 江ノ電の運転席に座ったともくんは、その3日後、静にひとり「ひかりのなかへ」 出発します。最後のこの見開き2ページは、明るい光の色に満ち、江ノ電がともくんを 乗せて、出発する絵です。
チョッコラム 浜田広介は、山形県高畠町出身です。高畠町には「浜田広介記念館」があります。 高畠町近辺は葡萄の生産が盛んで、ワイナリーなどもあります。 記念館とワイナリーを訪ねる旅など、いかがでしょうか。 |