初段 悪戦苦闘の日々

そうだ、新しいHPを作ろう。思い立ったのは、まだ、寒い頃。
すでに、3つのサイトを作り、2つのサイトは管理中にも拘らず、
やっぱり、自分の好きなことを紹介するページがほしいよね。
と始まったのですが・・・・。

この少し前から、お友達は、初めてのHP作りを始めていました。
当然、私は、3つのサイトを作ったのだから、お友達に助言を求めることは、
ないはずです。いや、求めるなんてありえない!!
と思っていたのです。

ところが、いざ、HP作りの話で盛り上がってみると、
何か私の知らないことばかり・・・・。
いったいこれは?

どういうこと。それ何?えっ、スタイルシート使ってるの?
えっ!フォルダで整理してある!?何?ミラーリングアップロード?
いったい!?何それ、どうやるの?

という訳で、わたしは、HP作りの基礎さえ理解していなかった
ことに、遅まきながら気が付いたのです。

ホームページのデザインなる本は、何冊も本棚にあるし、
表示を早くする方法とか、見栄えを良くする方法などなど、
いったい本ばかり集めて、私は、何をしていたのでしょう。

しかも、このサイトでは、他所から借りてくるタグを
貼り付けるという、作業がたくさんあります。
愛用のソフト、フロントページエキスプレスでは、
対応しきれず、ホームページビルダーで、補って、
作業していました。

でも、いずれは、タグをエディタで書くつもりで
いました。でも、なぜかエディタをダウンロードして、
使おうとインストールを始めると、途中で、インストールが
出来なくなります。
そんなことを、2,3回繰り返し、エディタは諦めていました。

何のきっかけか、今はもう忘れましたが、件のお友達に
エディタを紹介され、ダウンロードしました。
どうせ、私のPCは、また、インストールできないのよ、
と半ば、諦め気分で、ファイルを解凍。
ところが、何と、なんと、このエディタは、
LZHを解凍しただけで、立ち上がるではありませんか。

何と、初心者向けに(HP4つ目の人が、初心者か?)に
出来ていることでしょう。
お友達に感謝したのは当然ですが、以前のエディタを
勧めたサイトは、何だったのでしょうか、
と、考え込みました。

やはり、単にお勧めより、自分で確かめるのは、非常に大事
なことと、改めて考えました。
とともに、わたしのサイトでは、本当に誰にでも
お勧めできる確実な情報でなければ、掲載しては、
いけないと、肝に命じました。

もちろん、先のエディタがインストールできなかったのは、
私のPC環境によるものと思います。
お勧めしていたサイトの皆さんは、使いこなしているに、
違いありません。

さて、目出度くエディタを手に入れて、これで、サクサクと
いくと思ったら・・・・。
FPEとの、言葉の違いで、簡単な作業も、どこにあるのか、
わからないということが、多々あります。(未だに)
だから、最初は、FPEで作って、その後に、エディタで、
どこが変わったかを、確かめて、覚えていくという、
非効率な方法で、作りました。

でも、一つだけ、言葉が分からなくて、お友達に聞きました。
FPEでは「ブックマーク」、エディタは「アンカー」
どうして、同じ作業にソフトで違う名前をつけるの?
まっ、言ってみても始まらないけど・・・。

それを聞く頃には、タグもだいぶ読めるようになって、
エディタだけで、作業ができるように、なりました。
すると、HTMLの小技だとか、入れられるようになり、
ますます、かっこ良いページにしたい(?)という
欲求に駆られ、今夜もぱそぱそやることになります。

ああ、手が痛い!!
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三段 美術館日和

私が、絵が好きだということを、絵本館を隅々まで、
読んでくださった方なら、お気づきと思います。

今、地方都市に住んでいて、不便と思うことは、たくさんありますが、
美術館、博物館が遠いということは、かなり、堪えます。
でも、1,2年に一度は、東京方面の美術展に出かけます。
選りすぐって、絶対に見たいと思うものを、リストアップして、
予定を組むのです。

今年2005年もお正月から、計画していました。
絶対に見逃せないと思った展覧会を2つ。

「踊るサテュロス」「ラ・トゥール」
「サテュロス」は、海から引き上げられたギリシャ彫刻、
国立博物館で、展示の後、愛知万博に展示されるといいます。
しかし、痛み具合から、日本での展示は、今回限りと
いわれています。

「ラ・トゥール」は、17世紀の画家、20世紀になってから、
再発見された画家で、残っている作品も数少ないのです。
今回は、上野の西洋美術館でラ・トゥールの作品を購入したのを機に、
開かれるもので、模写も含めて30数点が展示されます。
これだけの数の作品が、一同に会すことは、無いといわれています。

当然、これだけ二度とない機会を強調されたのでは、
いかなければと、思います。
もちろん、それだけではなく、私の好きな感じの作品なので、
是非、行きたいと考えました。

二つの展覧会を良く見ると、わずか6日間だけ、重なる期間が
ありました。
この時しかないと、私は、自分の予定を考え、考え、計画を立て、
3月の初旬、上野へと出かけました。

上野は、とても暖かく、当に美術館日和、花粉が少し心配ぐらいで、
後は何も心配はないのです。夕方まで、ゆっくりと美術館巡りを
すればいいのです。
当に極楽気分です。

お話は、ちょっと戻りますが、今は、美術展のチケットも、
地方で手に入るのです。これは、今回初めて利用しましたが、
便利です。
ローソンチケットです。次回から、利用できる時は、積極的に
使うべきだと思いました。
もちろん、新幹線は、ネットで予約します。
ホント、この辺は、地方も都市も変わらない世の中になりました。

それに、出かける2,3日前に、なんと、国立博物館では、
中宮寺の所謂「弥勒菩薩」の展示があると分かりました。
憧れていた菩薩さまが、見られるのです。
こんなについていいのでしょうか。

怖いくらいの好条件に、お天気まで、うららかな春の日で、
博物館、美術館をはしごしました。

「サテュロス」は、想像より大きな像で、やはり青銅のどっしりとした
感じがありました。
なにより、蛇のようなうねりのある髪の毛に、びっくりです。
「サテュロス」の周りを2度回って、会場を後にしました。
次が控えていますので。

「半跏思惟像」も、想像よりずっと大きくて、びっくりしました。
写真でしか見た事が無かったので、本当にびっくり。
会場内は、湿気を保つためと思われますが、少し蒸す感じです。
その会場内、三々五々見学の人が歩き回っています。
私は、お像の正面でしゃがみこみました。とたん、お顔が、変わります。
やさしいお顔と思っていたら、結構、厳しさを含んだお顔になりました。
ここに来るには、自分も少しは努力しないとね、って感じです。

なぜ、しゃがみ込むのか、これは、本来仏像は下から見上げるように、
作る物ですので、作られた時の意図を汲むとすると、下から見上げるのが、
本来の顔ということになるはずです。
これは、どこかの本で読みました。
半眼と言われる眼も、下から見上げるとかなり開いて見えます。
だから、表情が変わるのです。

本当は、「サテュロス」も下から見上げたのじゃないかと思います。
でも、人が多くて、しゃがみこむ勇気がありませんでした。

とにかく、一応満足する程度に、お顔を拝んできたしで、
次は、昼食です。
どちらで、食べるか、その前に、お土産を買おうか。
ということで、ミュージアムショップで、お買い物です。
これも、楽しみの一つですから、ゆっくりと、気の済むように見て回ります。
お気に入りを幾つか選ぶと、外へ、まだまだ、日が高く、幸せ気分いっぱいです。

お昼は、結局、博物館で済ませました。とてもおいしい天ぷらうどんでした。
フランス料理のレストランで、うどんを頂きました。
そして、デザート、パンプキンプリン、実はこれが食べたくて、うどんにしました。
食事は軽く、デザートを頂くという贅沢をしたくて・・・。

いよいよ、時間を気にしながら、美術館へ急ぎました。込んでいたら大変ですから。
でも、予想外、空いていました。
で、「ラ・トゥール」については、段を改めます。
ただ、とっても素敵でした。
想像以上に、素晴らしかったです。

お天気は、上々で意外に会場の混雑は少なくて、
私は、今年のツキを使い果たしかもしれません。

当然、時間いっぱい、絵を眺め、お土産を手に(これは、嫁として必須アイテムです。)
家路に着きました。

次の美術館日和は、また2,3年先かも・・・。

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四段  ラ・トゥール

ジョルジュ・ド・ラ・トゥールときいて、お分かりになる方が、
どの位いらしゃるでしょうか。
わたしも、お正月に新聞で読むまでは、知りませんでした。

ヨーロッパ、特にフランスではとても人気のある画家です。
と言っても、17世紀の画家で長らくその存在を忘れられていました。
ヨーロッパでは、20世紀初めに再発見されたそうです。
光と影の画家といわれますが、この説明ではフェルメールあるいは、
カラバァッジョを思い浮かべます。

同じ光と影でも、フェルメール、カラバァッジョが窓からの昼間の光で、
ラ・トゥールは蝋燭、ランタンなどの夜の光です。
ラ・トゥールは中央に蝋燭を輝かせ、人物を光と影に描きわけます。
影になった側は、暗く暗闇に溶け込んでいきます。
光が当たった側は、はっきりと人物の顔を映し出します。

写し出された人物は、顔、しぐさなどで、その人の一生をも
映し出されたかのようです。
それは、聖人を描いていてもかわりません。
これほど、聖人が内面を描かれている絵を、見たことがありません。

ある絵は、頑固で、ある絵はうつろで、清らかな天使は、
美しい少女で、見ていて飽きることがありません。
ラ・トゥールは、聖人も普通の人のように描いています。
その絵には、その聖人が歩いてきた人生、考えが、
映し出され、物語があります。

今、NHKの番組で「ラ・トゥール」について、放送していました。
いろいろ、解説を聞くとなるほどと思います。

ラ・トゥールは、戦乱の時代に生きていたそうで、
同時代の作家が、戦乱の様子を描いていても、彼自身には、
一枚も戦乱の絵はありません。

ラ・トゥールが活躍していた時代にも、人気があり、
彼自身の祖国、ロレーヌ公国という小さな国の王様に、
たくさんの絵を買い上げられたということです。
ラ・トゥールの絵は、没後まもなく火災に遭い、多くの作品が
焼失してしまったそうです。そのために、20世紀の初頭まで、
忘れられていたようです。

おそらく、今の時代であるから、あの内面を描いた絵が、
真に受け止められ、理解されるのでしょう。
20世紀に再発見されたのは、偶然ではなく、必然と思えます。

今回の、国立西洋美術館の「ラ・トゥール展」では、模写作品も
含めて30数点を集めたそうですが、現存する絵が少ないので、
これだけの数を集めることは、大変なことだそうです。
もう二度と、これだけの絵を一同に集めることは、不可能とも。

一枚の絵の中に、人生まで描いてしまうようなラ・トゥールの絵は、
今年最大の楽しみでした。そして、もう一度、見に行きたいと思う作家は、
正直初めてです。


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